研究課題/領域番号 |
19K12463
|
研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
櫻井 次郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40362222)
|
研究分担者 |
北川 秀樹 龍谷大学, 政策学部, 教授 (60360252)
知足 章宏 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (90525156)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 環境政策 / 環境法 / 市民参加 / 情報公開 |
研究実績の概要 |
まず本研究を進めるうえでの基礎情報の収集、すなわち中国の環境NGOが情報発信のために利用している情報手段の把握を、日本から確認可能な範囲で行った。さらに、直接中国の環境NGOから最新情報を得るため、12月16日に以下の6つの環境NGOの代表・主要メンバーを研究代表者の本務校・神戸市外国語大学に招聘した。 招聘した環境NGOを簡単に紹介する。北京京文法律事務所の夏軍氏は弁護士で、1999年から環境民事・行政訴訟を多く取り扱っている。特に環境公益訴訟の代理件数は中国でトップであり、今回は具体的なケース報告を2件聞くことができた。蘇州工業園区緑色江南公衆環境センターの方応君氏は企業管理に長年従事し、2007年から蘇州開発区の企業モニタリングと、地元環境保護局への通報・告発、そのプロセスと結果を自身が管理するSNS(微博・微信)で公開している。北京天下渓教育相談センターの呂妍氏は内蒙古の草原保護活動と遊牧民族の文化保護活動を行っている。遊牧民の慣習を活かした羊脂せっけんの製造販売による経済力向上の取り組みなどを行っている。湖南省創意環境科技伝播センターの劉科氏は、湖南省の鉱山跡地や尾鉱などにおける汚染調査、現場撮影、若手NGOの育成などを行っている。北京書和路上文化メディア株式会社の楊緯和氏は、もともと中国社会科学研究所のプロジェクトで野生動物の保護に関する調査を始めたが、後に著名な国際環境NGOであるIUCNのWCSプロジェクトの調査員となり、野生動物と人の活動との関係について専門に調査するようになった。最後に、北京市環友科学技術研究センターの李力氏は、環境教育に20年以上従事し、2015年にグリーン中国人に選出され、中国の環境NGOに広いネットワークを有している。 これら環境NGOからは、活動実績を報告するうえで写真付きのPowerPoint資料も提供されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環境NGOを招聘して活動実績報告と交流会を行い、これを通じた直接情報収集までは順調に進んだ。ただし、年度末に予定していた中国における現地調査はコロナウイルス感染拡大のために中止せざるを得なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度も本来は6月に湖南省で現地調査を予定していたが、コロナウイルスによる影響が終息するまでは困難な状況となっている。今後は、インターネットを通じて行える情報収集を優先して行い、状況を見て必用な現地調査が適時に行えるよう準備しておきたい。また、これまでの研究結果を学会・研究会で順次報告していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に予定していた中国での現地調査が新型コロナウイルス感染拡大によりキャンセルされたため。
|