研究課題/領域番号 |
19K12463
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
櫻井 次郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40362222)
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研究分担者 |
北川 秀樹 龍谷大学, 政策学部, 教授 (60360252)
知足 章宏 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (90525156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 環境政策 / 環境法 / 市民参加 / 情報公開 / 中国 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、情報手段の発達が環境政策への市民参加に与える影響について明らかにすることであり、本来は現地調査で各地の環境NGOおよび地方政府へのヒアリングを行う予定であったが、2021年度も引き続きコロナ禍の影響で中国への現地調査が遂行不可能であったため、オンライン会議による中国環境NGOの活動状況の調査、及び文献資料収集に基づく研究を行った。 オンライン会議では、コロナ禍でも実際に活動を続けている環境NGOに中国版SNSを利用して活動報告を依頼し、2022年1月17日、24日の2回に分けて5団体からヒアリングを行うことができた。調査対象のNGOは、大都市で活動する陝西省西安市、湖北省武漢市、天津市のNGOだけでなく、内陸の小都市である江西省南昌市、及び東北地方の郊外の黒竜江省双鴨山市で活動するNGOからもヒアリングを実施することができた。また活動内容についても、廃棄物関係、環境教育関係、水質汚染関係、環境訴訟関係と、多方面にわたり活動状況を把握することに努めた。特筆すべきこととして、水質汚染調査について、ドローンとリモートセンシング技術を併用した最先端の手法によってモニタリング・コストを下げ、モニタリングの実効性を高めようとしているNGOが注目されつつあること、また、コロナの影響で環境訴訟ですらオンライン会議を活用した裁判が模索され始めていること、などが挙げられる。コロナ禍で発生している新たな現象について確認されたことは大きな成果であったと思われる。 分担研究者においても、廃棄物問題を担当する北川秀樹は中国におけるプラスチック廃棄物リサイクルの現状について文献調査を実施し、その成果を学会報告により公表している。また、もう一人の分担研究者である知足章宏もグローバル化と市民参加の視点から研究を遂行した成果を論文として公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と同じく、現地調査が実施できなかったことが影響している。 但し、オンライン会議の活用によって昨年度よりも多くの情報を得られるようになってきた点は一歩前進と言える。もっとも、オンライン会議では確認できないこともあるため、渡航可能となった場合に速やかに現地調査が実施できるよう準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、コロナ禍対策としてオンライン会議による状況把握を課題として挙げ、今年度にそれを実施した結果、一定の意義があることが確認できたため、来年度もオンライン会議による現状把握と情報収集により一層努める。 また、現地への渡航が可能となった場合に、効率よく重要な地域でのヒアリング調査が実施できるよう、関係者との調整を進めておく。これらの調査と同時に文献調査も進め、それらの成果を学会・研究会での報告、論文発表で公開していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、中国における現地調査ができず、主にオンライン会議によって代替せざるを得ず、予定していた海外旅費としての支出が発生しなかったため。 今年度は、現地調査が可能になった段階で速やかに効率的に現地調査を行い、予定されていた海外旅費として執行する。
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