研究課題/領域番号 |
19K12474
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
廣田 勲 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50572814)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 複合生業 / 非木材林産物 / 資源化 / 一帯一路 / 商品作物 / Russula lepida |
研究実績の概要 |
本研究は、近年中国の一帯一路構想等を背景とし急速に進む交通網整備による、山村の生業への影響を明らかにすることを目的としている。 2019年度は、前半は国内における予備的調査および資料収集を行った。一方、後半に予定していた調査は新型コロナウィルスの影響で実施できなくなった。一部、本課題受給前までの研究活動より得られている統計資料等の二次的資料から、調査対象地を絞りつつある。特に、また、新しい郡として2013年に設立され、ラオスで最も交通網整備計画が進むフアパン県ソーン郡を具体的な調査地が具体的な候補として想定している。この地域は、過去の資料から推測すると、山地の村落が孤立した環境にあったのは、20~30年ほど前までで、外部との接続の歴史が非常に短いことが予想でき、生業が急速に変容してきた可能性がある。外部との接続に伴って、トウモロコシをはじめとする商品作物が次々と導入されている。グローバル化の影響を受け、生物資源がより広域的な背景から商品価値を持つようになる事例も認められた。非木材林産物の資源化が進行し、特に、現地名で「赤いキノコ」とよばれるキノコ(Russula lepida)が域内での重要資源になっており、調査対象となる資源の候補として想定している。本年度の活動により、国境域の資源動態の概要を把握することができた一方で、渡航ができず現地調査計画の大きな変更を余儀なくされた。新型コロナウィルスの影響に留意しつつ、次年度以降も継続して調査を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は上述の通り、文献調査と国内における試験的予備調査を行った。年度末に渡航を計画し、世帯調査を進める予定であったが、新型コロナウィルスの影響により渡航を断念した。この影響により、研究活動の変更を余儀なくされたものの、本課題実施前の申請者自身の調査からも一定の情報が得られており、また新しく得られた二次的資料を元に将来的な調査候補地の検討ができた。以上から進捗状況についてはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在新型コロナウィルスの影響で、海外渡航が制限されており、現地調査の見込みが立っていない。これまで得られているデータの解析を続けるとともに、関連の研究テーマの文献調査を行う。また、必要に応じて、航空写真や衛星画像を購入し可能な場合は土地利用変化や資源分布の概要把握のための基礎的情報を収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスにより、渡航計画が変更となったため。
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