マダガスカルでは森林資源の伝統的な知識に基づき、精油などの植物資源のグローバルな商業化が起こっている。植物利用の商業化が伝統的な利用体系に及ぼす影響を検証した結果、精油生産地ではCinnamosma fragransなどの植物資源が非持続的に搾取されていた。国立公園はこうした植物を保護し、住民による持続的な利用を許可している。生物と文化の多様性が長期間共存する状況下では植物利用の知識が蓄積され、原生林は有用植物の宝庫として認識されている。近年は商業的利用が禁止される一方で焼畑や木炭生産に起因する森林火災が有用植物資源の供給サービスを脅かしており、火災を管理する対応策を早急に整備する必要がある。
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