研究課題/領域番号 |
19K12483
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (30365499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中国政治 / 中国共産党 / 人民代表大会 / 民主的制度 / 中国人民解放軍 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、中国共産党による一党支配が長期にわたって持続している要因を明らかにすることにある。権威主義体制下の民主的制度が体制の持続に貢献してきたことに注目する先行研究の知見を踏まえ、中国の「民主的」制度の起源と制度発展の経緯を明らかにし、その政治的機能の変化を分析する。その際、本研究課題は、先行研究がこれまで十分に注目してこなかった「民主的」制度における軍(中国人民解放軍)の活動に注目する。 2020年度は、中国共産党による一党体制の安定に、その民主的制度がどの様に貢献してきたのかを、歴史的視点から概観し、分析するためのデータセットの構築に努めた。このデータセットの構築は、中国の民主的制度の起源(「どこから来たのか」)と制度発展の経緯を明らかにし、その政治的機能の変化(の可能性)を展望するために不可欠である。そして、この成果を中間報告として、学術書として出版するための作業をすすめてきた。具体的には、揚州市、深セン市、および石家庄市の民主的制度に関する基礎的資料の収集とデータ(約20年分)の整備をおこない、データセットを使って研究成果を発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に記載した内容を忠実に評価すれば、現状は当初の予定より若干遅れている。2020年度4月より新型コロナウイルス感染症の蔓延により、中国国内への出張及び調査が不可能となったためである。2021年度は、研究進捗の遅れを挽回することは可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、本研究の取りまとめの年である。「研究実績の概要」および「現在までの進捗状況」に記したように、本年度は、権威主義体制下の民主的制度の政治的機能が中国共産党による一党体制の安定にどの様に貢献してきたのかを、歴史的視点から概観し分析した成果を、学術出版として取りまとめる。この成果のなかに、「民主的」制度における軍(中国人民解放軍)の活動に関する研究成果を盛り込む。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年1月頃から発生した新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、本研究活動の研究対象地域である中国への渡航が制限される事態となり、予定していた旅費が執行できなかった。2021年度において、研究対象地域での調査実施を行う計画である
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