研究課題/領域番号 |
19K12485
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中嶋 滋 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (10833022)
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研究分担者 |
山崎 精一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (50614723)
石井 知章 明治大学, 商学部, 専任教授 (90350264)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ミャンマー / サプライチェーン / CSR / SDGs / 労使交渉 / 民主化 |
研究実績の概要 |
2022年5月28日に明治大学国際労働研究所主催で「クーデター後のミャンマー労働運動」と題する講演会をハイブリッドで開催した。講師はクーデターを逃れて来日中のティンウィン氏。同氏はクーデター後の軍事政権下での人間侵害、労働組合破壊の実態を詳細に明らかにした。さらにクーデターに関連するミャンマー国内の日系企業の動向についても報告し、最後に日本の労働者への訴えを行った。これに対して日本の労働組合やNGOさらに日本国内で活動するミャンマー人の労働組合からミャンマー民主化運動への支援の取り組みの報告があった。 この講演会で報告された労働運動の現状を実態調査する必要があったが、ミャンマー国内に入って調査することはできない現状であった。そのため、国境の川を越えてタイ国のメソットに亡命してきているミャンマーの労働組合活動から聴き取り調査することにした。7月1日2日の二日間、石井知章教授と山崎精一研究推進員がタイ国メソットにおいて8人の労働組合活動家と2人の民主化運動活動家から聴き取り調査を行った。クーデターから逃れてタイ国に来た経過とタイ国での生活と活動の状況、そして日本社会への要望を知ることができた。 また経由地のバンコックではILOアジア太平洋総局を訪問してミャンマーでのILOの取り組みを聞くことができた。 以上、5月28日の講演会と7月のメソット現地調査の結果を日本語とビルマ語の報告書にまとめて12月12日に科研費報告書として発行した。750部を印刷して既に約700部を日本の労働組合、NGO関係者、在日のミャンマー人、メソット現地にも配布して、ミャンマー労働運動の窮状を知らせることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ミャンマーのクーデターを逃れて日本に来ている労働運動活動家とタイ国に逃れている労働運動・民主化運動の活動家と会い、実情を聴くことはできた。しかし、ミャンマー現地に行って直接調べることは不可能で、また現地に留まっている労働者の情報を得ることも困難なままである。したがって現地調査やミャンマーから講師を招聘しての国際シンポジュームも開催することが困難である。 国内調査についてはミャンマーから引上げを決めたキリンビールについて調査をする予定で 労働組合への調査依頼を進めたが実現できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
・国内調査の継続 キリンビール・モンベルなどの進出企業の労使への聴き取り調査 ・国際シンポジューム ミャンマー国内の情勢を見ながら、両国の労使代表・研究者などを招請するシンポジュームの開催
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次年度使用額が生じた理由 |
ミャンマーのクーデターにより同国との往来が困難となり、旅費が執行できないため。 国内調査の継続と国際シンポジュームの開催を計画。
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