過去5年に亘る調査研究の成果として、村嶋英治『南北仏教の出会い:近代タイにおける日本仏教者、1888-1945』(早稲田大学アジア太平洋研究センター、2023年9月、ⅶ+771頁,ISBN978-4-9106-0325-4)を刊行した。本書は、1888年に近代タイを訪問した最初の日本人仏教者生田得能以来、1945年までの間に、訪タイした日本人仏教者を、先づ外務省記録に保存されている旅券下付表の中から、極力全員拾い出して概説した。次に、日本語及びタイ語での記録が多い訪タイ日本仏教者22名に関して、彼等の記録を用いてタイ仏教社会における彼等の活動及び彼等が見たタイの社会構造を明らかにした。
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