研究課題/領域番号 |
19K12495
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
白石 壮一郎 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (80512243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教育大衆化 / 高学歴非エリート層 / 都市友人・親族ネットワーク / 社会移動 / 機会待機 / ソーシャルメディア / アスピレーション維持 |
研究実績の概要 |
4-7月は、東アフリカのケニア・ウガンダ両国における高学歴化の歴史動向、および女性と中等・高等教育に関する文献資料を探索し、論点を整理した。(ⅰ)公教育の普及については1980年代までの多くの古典的民族誌のなかで「近年の変化」のような周辺項目として言及されるにとどまること、(ⅱ)近年の教育学や開発学の関心の中心は、1990年代に関心を集めた初等教育が伝統的生活様式に与える影響から、中等教育の影響へとシフトしている段階であること、(ⅲ)公教育とナショナルな文化の生成との関連について、近年複数の先駆的な研究が存在すること、(iv)女性の高等教育修了者については、従来からエリートの研究が存在するが、高等教育やmeritocracyの一般化傾向に焦点を当てたものはまだ少ないこと、などが明らかになった。 本来、8-9月にはケニア・ウガンダでの現地調査を予定していたのだが、COVID-19パンデミックにより不可能となり渡航を中止した。そのため、8月-10月の期間は、一部の録音されたインタビューデータの文字化、高齢層でセカンダリ卒の学歴のあるインフォマントの手記の内容把握など、おもに作業時間を要するこれまでのデータの整理に時間をあてた。 以上の作業の一部を反映し、11月にはオンライン国際研究会で口頭発表、12月に調査方法論についてオンライン国際研究会で口頭発表、3月には論文集に学術論文を寄稿し、公刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19パンデミックの影響で、予定していた現地調査はおこなえなかった。しかしながら、昨年度までの調査で蓄積された聞き取りデータなどの入力・整理などに時間をあて、研究をすすめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は8-9月中あるいは2-3月中に現地調査をおこなって、本来は2020年度中にケニア共和国でおこなう予定だった対象女性10名に対するデプス・インタビューをおこなう。調査設計当初には2021年度中に予定していたウガンダ共和国での対象女性10名に対するデプス・インタビューは、研究期間を延長して2022年度におこなわざるを得ない見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックの影響で、予定していた現地調査を中止、2021年度以降に延期せざるを得なかったため、現地調査のための旅費などの予算が未使用のままである。
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