研究課題/領域番号 |
19K12505
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相沢 伸広 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10432080)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ヴィザ政策 / 移民政策 / 政治学 / オーストラリア / インドネシア / タイ / 外国人労働者 |
研究実績の概要 |
本年度は研究計画通り、各国におけるヴィザ政策にかかる基礎データの収集と先行研究にかかる文献サーヴェイに注力した。とりわけ、オーストラリアのヴィザ政策について、オーストラリア首相府の元担当官への直接の聞き取り調査を実施し、一時データの収集、及び分析が進んだ。オーストラリア国立大学、ラトローブ大学、モナシュ大学との研究協力を進めたことで、当初の研究計画よりオーストラリアについての広範な分析が可能となった。オーストラリアの政策分析をする過程で、2019年度に施行された日本の改正出入国管理法についても比較分析を進めた。その成果として、日本の移民政策にかかる論考をEast Asian Forum Quarterly にてHow Immigration would Change Japanese Politicsというタイトルで発表し、2019年10月には「Symposium on Ambitions for Japanese Immigration / 日本における移民政策の大望」と銘打って東京においてオーストラリア国立大学、及びアジアパシフィックイニシアティブと共同で、日豪の移民政策、ヴィザ政策にかかる国際ワークショップを実施した。 研究サーヴェイとしては、アメリカ政治学会研究大会において、政治学における移民政策、ヴィザ政策についての研究サーヴェイを実施し、Migration Policy Institute所長との共同研究を開始した。当初の計画に追加して、より広範な比較分析及びテクノロジー政治の分野からのアプローチを追加することができ、分析枠組みの修正を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月にはタイにおける調査を予定していたが、コロナウイルスの蔓延に伴う渡航制限のため調査を延期することとした。また、2020年3月には米国ボストンにおけるアジア研究学会年次大会にて、インドネシアの外国人労働者をめぐるヴィザ政策にかかる研究成果を発表する予定であったが、研究大会がコロナウイルスの蔓延に伴い中止となりこちらも延期することとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の推進方法として、海外実地調査が再開できる時期までは歴史資料を用いた分析に注力することとする。必要に応じて、電話会議、ビデオ会議を通じた代替方法で必要な研究情報の収集に努めたい。また、コロナウイルスの蔓延に伴う、出入国管理をめぐる政治過程は、当初予見していたものではなかったが、まさに本科研の射程にある政治、社会現象でもあることから研究対象に組み込んで国際比較をしつつ研究を進めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの蔓延に伴う渡航制限のため、当初予定されていたタイ調査が延期となり、加えて、米国ボストンにて予定されていたアジア研究年次大会における研究発表が延期になってしまった。渡航制限については先行きが見えない中、歴史分析を進めるための資料収集費用、及び、遠隔における情報収集のための人件費、及びそれを可能とする物品の購入を行う。
|