研究課題/領域番号 |
19K12507
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
長谷部 幸子 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (40382551)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ネパール / 離乳食 / ガイドライン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ネパールの乳幼児死亡の減少や乳幼児の栄養不良状態を改善させるために、現代のネパールの文脈、つまりそれぞれの民族の生活や居住状況、母親の意識や食環境に合った離乳食のガイドラインを作成することである。 新型コロナ感染状況の悪化により、現地での調査が実施できないなか、昨年度に引き続き、文献調査を行ってきている。ネパール政府が発行した離乳食のガイドラインは調べた範囲ではなかったため、南アジア諸国(バングラデシュ、インド、パキスタン、スリランカ)の離乳食のガイドラインや各国の乳幼児の食に関する戦略の内容分析や離乳食に関する研究の文献レビュー、南アジア諸国の離乳食のガイドラインに必要な要素となるのではないかと検討しているBaby-Led Weaningに関する研究の文献レビューなどを行ってきている。Baby-Led Weaningの研究は西欧諸国で中心的に取り組まれており、南アジア諸国での研究論文は調べた範囲ではほとんどなく、どのような要素を取り入れるとネパールの文脈に会った内容になるのかを検討中である。また、2012年に実施したネパールの5歳未満児をもつ母親への調査結果から、子どもの栄養状態にかかわる要素を抽出するための再分析を行ってきている。文献調査や再分析の結果の学会発表や学会誌投稿のための準備を進めている。 ネパールにおけるそれぞれの民族の生活や居住状況、母親の意識や食環境に合った離乳食のガイドライン作成に向けての準備を進めるためには、現地での調査が必須であるが、新型コロナ感染状況は悪化しており、感染力が強いとされるインド型変異株の感染拡大状況も考えると、今後の現地での調査の計画を立てるのは非常に難しい状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本及び研究フィルドであるネパールにおける新型コロナ感染状況悪化のため、ネパールへの渡航ができないだけでなく、ネパール人研究協力者の国内での移動や調査の実施も難しい状況である。そのような状況のため、本研究の最初の重要な部分である家庭訪問をベースとした離乳食の実態調査や質問紙調査を実施することができないでいる。
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今後の研究の推進方策 |
日本国内で新型コロナ感染状況が悪化しており、さらにネパールの隣国であるインドにおいて、インド型変異株による新型コロナの感染者が増加している状況から、今年度もネパールへの渡航、ネパールでの家庭訪問による調査の実施は非常に難しい状況なのではないかと考えられる。オンラインでの調査も検討してきているが、実施は難しい状況である。どのような形であれば調査実施可能なのかについて、現地の調査協力者とさらに検討をしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度考えていたよりも新型コロナの感染状況は悪化しており、ネパール渡航やネパール国内での調査実施が難しく、予定通りには支出できなかったため、次年度以降に使用することとなった。 離乳食の実態調査をどのようにすると可能なのかについて、現地研究協力者と検討中であるが、離乳食に関する調査を実施するような状況ではない地域や家庭が多いと思われるなか、実現可能な方法を模索し、進めていく予定である。
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