研究課題/領域番号 |
19K12511
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
幡谷 則子 上智大学, 外国語学部, 教授 (00338435)
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研究分担者 |
千代 勇一 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (90806382)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 辺境 / コロンビア / コミュニティ / 地域 / 紛争 / 社会的主体 / 脱開発 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナ禍にあり、当初予定していた海外調査出張の企画も、また海外からの研究者招聘による研究活動もすべて中止せざるを得なくなった。また、国内のフィールド調査も自粛せざるを得ず、実施を見合わせた。 他方で、移動が制約された中で、本研究の研究手法の修正と最終報告書のとりまとめ方の軌道修正を考える機会を得た。 研究協力者として、早稲田大学(2020年度当時)所属の近藤宏助教、同志社大学の柴田修子助教に加わっていただき、ZOOMによる研究会を計7回開催した。うち1回は、柴田修子助教による「和平合意後のコロンビアーエクアドルとの国境トゥマコにおける分離グループの状況」(8月18日)として開催した。 また、本研究プロジェクトの目玉でもあったArturo Escobar教授の招聘企画は、断念せざるを得なくなったが、複数回メールで連絡を取り合い、できれば次年度以降に遠隔での交流の場を設けたいと検討中である。それに先立ち、同教授の近著、「Designs fofr the Pluriverse(スペイン語版 Autonomia y diseno de lo comunal)」を読み、その脱開発の理論と欧米の市場中心的開発モデルへの対抗理論の考察を深めた。同氏の理論を日本に紹介した早稲田大学の中野佳裕氏を講師として招き、研究会を実施した(2月26日)。 このほか、現地コロンビアの研究協力者(ハベリアナ大学のDavid Burbano教授、サンヒル大学のMiguelFajardo教授)などとも遠隔での研究交流を続行した。今後、最終報告書にはコロンビアの現地研究者や実践者の論考も加えることを検討中である。また、コロナ禍でのコロンビアの社会情勢や辺境地域における和平構築プロセスの課題について、11月に上智大学で開催されたパネルディスカッションにおいて幡谷が報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で海外渡航が不可能であったために、現地調査を実施できなかった点で、フィールド調査による資料収集と実証分析の点では大きく遅れたと言わざるを得ない。しかし、次年度も状況が好転する見込みは少ないため、本研究プロジェクトの成果発信の方法自体を再検討する必要がある。もちろん、2021年度、海外渡航の見通しが立てば、現地調査も実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も海外渡航条件が好転する見通しが立っていない現状で、本研究課題の推進を新たなフィールド調査の実施ではなく、これまで行ったフィールド調査で得たデータ分析と理論考察や地域誌・地域の発展史など、二次資料でフォローできる部分を深めることで補い、再来年度の成果のとりまとめ年に備えたい。 並行して、海外渡航の可能性が出れば、現地フィールド調査も実施を考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
計上していた海外調査を実施することができず、海外渡航費を使用できなかった。同様に、海外からの招聘旅費も消費できなかった。 今年度は、国内研究会の頻度をあげ、オンラインでの講師招聘などを試みる。来年度の成果報告とりまとめに向けて、必要な文献購入やデータ分析にかかる費用の計上を考えている。むろん、海外渡航の見通しが立てば、追跡調査のための海外フィールドワークの実施も考えている。
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