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2023 年度 実績報告書

辺境コミュニティの排除と包摂―紛争後コロンビアにおける社会的主体の創生

研究課題

研究課題/領域番号 19K12511
研究機関上智大学

研究代表者

幡谷 則子  上智大学, 外国語学部, 教授 (00338435)

研究分担者 千代 勇一  帝京大学, 外国語学部, 准教授 (90806382)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード辺境 / コロンビア / コミュニティ / 地域 / 紛争 / 社会的主体 / 脱開発 / 暴力
研究実績の概要

2023年度は、前年度に国内外の研究協力者4名(うち一名は教皇立ハベリアナ大学建築学部教授)を含む7名によって辺境コミュニティをめぐる複数地域での論考を執筆した最終報告書をとりまとめ、出版用に編集することが主たる活動となった。同報告書は4月に出版企画募集(上智大学出版)に応募し採択され、『辺境からコロンビアを見る―可視性と周縁性の相克―』と題し、2024年6月頃刊行予定である。
他方で、研究分担者の千代勇一が、追跡調査のために2023年8月、代表者の幡谷が2023年9月下旬から11月20日までの約2か月間、それぞれコロンビアでフィールドワークを実施した。千代は、マグダレナ・メディオの拠点であるサンタンデル県バランカベルメハ市ほかをフォローアップ調査した。代替作物の好景気により違法作物栽培から脱却できた地域もあったが、麻薬組織の勢力拡大により違法作物の増加と治安悪化が顕著であった。幡谷はアフロ系コミュニティが主に居住するチョコ県のキブドー市および、ボハヤ市を再訪したが、2016年のFARC(コロンビア革命軍)と政府との和平合意後の治安回復と紛争地の人びとの生活改善は困難を極め、新しい武装組織や犯罪グループが拡大し、特に若者の生活の不安定化の原因となっていることが確認された。他方で、サンタンデル県ペニョン市(元紛争地)では、治安回復を確認したが、農村部のインフラ・経済発展の課題は大きいこと、ボリバル県南部はじめ太平洋沿岸地域の違法鉱山開発の深刻化を目の当たりにして、辺境コミュニティにおける新たな課題を認識し、本研究プロジェクト終了後も引き続き注視すべき側面を明らかにすることができた。
コロンビアの研究者たちとのネットワークを広げ、帰国直後の11月25日のラテン・アメリカ政経学会年次大会の機会に、辺境に生きるコミュニティの一つである国内避難民問題のオンラインセッションを実施した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ラテンアメリカにおける連帯経済:可能性と挑戦―コロンビアの事例を中心に2024

    • 著者名/発表者名
      幡谷則子
    • 雑誌名

      生協総研レポート

      巻: 100 ページ: 2-23

  • [雑誌論文] 違法作物栽培からの脱却 コロンビアにおける農民の奮闘2023

    • 著者名/発表者名
      千代 勇一
    • 雑誌名

      青淵

      巻: 896 ページ: 14ー16

  • [雑誌論文] ラテンアメリカの連帯経済-コロンビアの事例を中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      幡谷則子
    • 雑誌名

      農村計画学会誌

      巻: 42(3) ページ: 115-122

  • [図書] ラテンアメリカにおける人の移動―移動の理由、特性、影響の探求ー2024

    • 著者名/発表者名
      ギボ・ルシ-ラ/谷洋之編、幡谷則子ほか著
    • 総ページ数
      95
    • 出版者
      上智大学イベロアメリカ研究所
    • ISBN
      978-4-904704-26-4
  • [図書] Solidarity Economy: Alternative Spaces, Power and Politics2023

    • 著者名/発表者名
      Esteves,Ana Margarida, Thomas Henfrey, luciane Lucas dos Santos and Leonardo Leal (eds.), Noriko Hataya (with Miguel Fajardo Rojas) et al.
    • 総ページ数
      233
    • 出版者
      Routledge
    • ISBN
      978-1-003-30634-4

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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