研究課題/領域番号 |
19K12527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部 (2022) 大阪大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
栗本 英世 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部, 大学共同利用機関等の部局等, 理事 (10192569)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 南スーダン / 失敗国家 / 内戦 / 民族紛争 / 権力分有 / 汚職腐敗 / 平和構築 |
研究成果の概要 |
2005年まで22年間にわたってスーダン内戦を戦った南スーダンは、2011年に独立した。しかし、2013年の終わりから5年間、内戦状態に陥いった。2023年5月の時点でも、和平合意は部分的にしか実施されていない。南スーダンという国家の失敗の原因は、戦時から平時への体制転換に失敗したことに帰すことができる。不安定で民主的ではない体制自体が、政治・軍事的指導者が私利を得る源泉であるという状況は、2005年以降、一層顕著になった。深く分断され、敵対している国民のあいだの和解も進展しなかった。長期間にわたって人道援助と戦後復興・平和構築の援助を実施した国連と国際社会の責任も問われるべきである。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南スーダンは、2011年の独立の時点ですでに失敗国家であり、その後さらに失敗の度合いを強めていった。これは失敗国家の極端な事例であるが、その過程を、内在的と外在的両方の要因に注目し、政治的、社会的、歴史的文脈の中で理解することは、失敗国家一般の研究を深めるうえで学術的意義が高い。また、長期間にわたり、国民を激しく分断して戦われた内戦の終結後に、国連と国際社会の関与のもとに実施される、戦後復興と平和構築の適切なあり方を追求するうえで重要な参照点になるという点で、社会的な意義も高い。最後に、失敗国家の研究は、人文学と社会科学における永遠の主題である国家に関する研究に、新たな視点をもたらす。
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