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本研究は、日本と朝鮮半島をまたぐ海域の国境漁業を、「縄張り争い／国内の玉突き衝突／領土問題との交錯／国際政治」の側面から照射し、その実態解明を試みる。研究最終年度にあたる2021年度は、前年に引き続くコロナ禍の状況にあって、研究計画の一部見直しを余儀なくされたが、それでも年度当初の緻密な研究協力者とのズーム・ミーティング、現地調査に代わる代替調査や資料の獲得などが功を奏し、年度を通じて、①資料収集、②研究手順に沿った必要最低限の現地調査の遂行、③研究会の実施、④研究成果のとりまとめと公表に努めることができた。
その具体的な研究実績として、①では、国境漁業と対象地域の漁業行政、対日関係に関わる図書・雑誌資料等を入手して関連研究の知見を深めた。②では、コロナ禍による海外渡航の制限措置により予定していた海外現地調査は行えなかったものの、ズーム（zoom）やティームス（Teams）を活用するとともに、海外研究協力者の助力を得て、韓国漁業者・実務者などへの聞き取り調査を実施した。また、国内では近隣県の漁港や漁業調整事務所などを訪れて実見・対面調査を実施したほか、国境漁業の停滞を養殖で代替しようと新たな取り組みを行う現場を調査するなどした。さらに、国内の国境漁業研究者との意見交換をオンラインで行った。③では、研究代表者主催の研究会合に国内の関連研究者を招き、学術集会を実施するとともに、研究とりまとめのための助言を仰いだ。④では、国内で開催された国際学術集会に参加して研究成果の一部を口頭発表するとともに、本研究の成果を原著論文にまとめ、研究書として出版することができた。
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