国境地帯のマイノリティや貧困問題においては、政治・行政における権利や文化・言語の尊重に加え、越境的なアイデンティティの保持、先端産業等による地域経済の活性化、また国境を越えた生活空間の構築等、国家の枠を越えたグローバル時代の新たな越境的な解決策が重要であることを解明した。 加えて国際関係の急激な変容に伴い、国境地帯・辺境の概念がフランス本国からアジア・太平洋へと拡大・変容した。緊張の続くインド・太平洋の国際関係において、フランスは太平洋地域の島嶼部の領土・領海を重視し、アジアにおける新しい公共空間の構築に積極的に参加し、日本の国際関係においても不可欠の存在となっていることを明らかにした。
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