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2020 年度 実施状況報告書

インド人看護師の国際労働移動とインド国内の看護師需給の関係性に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K12542
研究機関立命館大学

研究代表者

小田 尚也  立命館大学, 政策科学部, 教授 (30436662)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードインド / 看護師 / 国際労働移動 / モビリティー / 海外出稼ぎ / タミル・ナードゥ
研究実績の概要

本年度はインドのタミル・ナードゥ州で実施した既存データを使い、インド人看護師が国際労働移動を選択しない要因分析を行った。インド人看護師、特に南インド出身の看護師は高いモビリティーで知られている。一般的にインド人看護師=国際労働移動というイメージが形成されているが、私立病院に勤務する看護師と公立病院に勤務する看護師を比較した場合、前者のモビリティーが後者より圧倒的に高いことが判明した。これは既存研究で指摘されている点を裏付ける結果である。
これまでの研究では、国際労働移動の決定要因についての分析が主であったが、本研究では公立病院の看護師が国際労働移動を選択しない要因について分析を行った。質的な調査結果から、労働移動を選択しない主たる要因として、1.興味がない、2.家族による制約(親や子供の世話など)、3.言語の問題や海外に出かける恐怖、が挙げられた。私立病院と比較すると公立病院では高い給与水準や年金などの利点が多く、海外への出稼ぎによる機会費用が高いことが移動を制約していると考えられる。このような待遇格差が私立病院院無の看護師のモビリティーを高め、一方、公立病院勤務看護師の低いモビリティーに表れている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査対象地であるインドおよび日本におけるコロナ感染拡大により、予定していた現地調査が実施できなかったため。

今後の研究の推進方策

コロナ禍により現地に渡航して調査を実施することは困難であり、代わりに現地カウンターパートに調査委託を計画していたが、現在インドでは感染が急拡大しており国内医療は危機的状況であることから、現地カウンターパートも動けない状況にある。そこで既存データの活用を中心とした研究の実施と状況の改善を待って現地で感染防止に注意した小規模な質的調査の委託を行い研究を推進することとする。今後の進展によっては研究期間の1年延長も検討する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍によりインドへ渡航することができず現地調査が行えなかったため。また現地インドのコロナ感染状況悪化により現地カウンターパートへの委託調査も困難であったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Determinants of nursing students' intention to migrate overseas to work and implications for sustainability: The case of Indonesian students2020

    • 著者名/発表者名
      Efendi Ferry、Oda Hisaya、Kurniati Anna、Hadjo Samuel S.、Nadatien Ima、Ritonga Imelda L.
    • 雑誌名

      Nursing & Health Sciences

      巻: 23 ページ: 103~112

    • DOI

      10.1111/nhs.12757

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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