| 研究課題/領域番号 |
19K12558
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| 研究機関 | 東海大学 |
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研究代表者 |
田中 伸彦 東海大学, 観光学部, 教授 (70353761)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 観光 / 地方創生 / デスティネーションマネジメント / 森林 / バイオマス / ランドスケープ / マネーフロー / 日本 |
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| 研究実績の概要 |
本課題の目的は、地方創生の牽引役として期待されている日本の①観光産業に森林バイオマスの利活用を効果的に融合させることで、②旅行によるマネーフローを農山村が獲得するだけに留まらず、農山村社会の多角的な機能向上が期待できる地方創生メニューを纏め、提言する研究を行うことにある。2019年度は研究初年度にあたる。
2019年度の研究計画としては、最終年度に達成しようとしている「観光とバイオマス利活用との融合可能性マトリクス」の作成を目標に置きながら、日本国内にける森林バイオマス利活用の注目事例地、およびバイオマスが潤沢な農山村の観光地を抽出して、文献調査や現地でのフィールドワークなどの調査を行うこと主眼とすることを明記していた。
具体的には、フィールドワークとしては、北海道下川町、長野県軽井沢町など、当初の研究計画で想定していた対象地を実際に訪問し、現地の観光の実態や、バイオマス資源の利活用の特徴についてのヒアリング調査等を実施することができた。また、日本における森林バイオマスの活用事例や森林サービス産業の推進の動向について、文献調査を進めることができ、首都圏在住の関係者へのヒアリング調査などを行い情報の収集を図ることができた。さらに、本課題のアウトカムに想定している「『観光―バイオマス融合』地方創生メニューの提言」を見据えて、国土交通省のガーデンツーリズム登録制度に着目し、地方創生によるマネーフローの活性化と、生物資源やバイオマス資源の活用との連携に関する検討も行うことができた。
なお、新型コロナウイルスの影響で、年度終盤の調査出張や学会およびシンポジウム発表が軒並みキャンセルとなってしまったが、次年度以降にその点についてはフォローアップしていくことを考えている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究自体に大きな遅れはなくおおむね順調に推移していると判断する。しかし新型コロナウイルスの蔓延により、2020年2月から3月にかけて予定していた現地調査や学会発表、シンポジウムなどが軒並み中止に追い込まれた。この状況は2020年度の前半にも影響を及ぼすことが予想される。なお、文献調査の進捗状況については、大きなダメージまでは受けていない。今後2020年度の後半以降には、予定していたフィールドワーク調査を再開し、2019年度の穴埋めを行うことを予定している。ちなみに、2019年度のプラスの局面としては、国土交通省が主宰する「ガーデンツーリズム登録制度」が開始され、それに付随した調査が追加的に行えた点が挙げられる。当初計画でこの調査は想定されていなかったが、この制度に則ったツーリズムにおけるバイオマスの利活用についてのデータや、あるいは該当地域におけるツーリズムの振興についてのデータを収集することができたとともに、本研究成果を現実の社会システムへ適用するという観点からも貴重な情報を得、考察を加えることができた。この点は予定外のプラスの研究成果となったと考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度は当初の計画どおり、「観光とバイオマス利活用との融合可能性マトリクス」の作成を目標に置きながら、フィールドワーク調査と統計資料の分析を進める。特に、新型コロナウイルスの影響で、2019年度終盤から2020年度前半にかけて実施ができなかったフィールドワークに力を入れる予定である。そして、複数の現地調査から得られた観光地経営の現状とバイオマス利活用の現状との関係性の分析をを進めていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2020年2月から3月に予定していた出張や学会発表にかかる旅費やレンタカー等の諸経費が出張の自粛や学会の中止のために使用できなかった。
また、調査の結果を纏めるための分析補助の人件費や消耗品費も、東京都内の外出自粛の影響で使用を控えざるを得ない場面が生じた。
これらの未使用分については翌年以降に繰り越し、繰越経費を活用して改めての学会発表や、フォローアップ調査分析を遂行していく予定である。
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