研究課題
本課題の目的は、地方創生で期待される①観光業に森林バイオマスの利活用を効果的に融合させることで、②旅行によるマネーフローを農山村が獲得するだけに留まらず、農山村社会の多角的な機能向上が期待できる地方創生メニューを纏め、提言することにある。2021年度は 初予定した3年計画の最終年度であった。ただし、2020年度から2021年度の間は、COVID-19の影響で「観光とバイオマス利活用との融合可能性マトリクス」の作成を念頭においたフィールドワーク調査出張など制約が生じたため、研究期間を2022年度まで延長した。2022年度は、2020年度から調査に取り掛かっていた国土交通省のガーデンツーリズム登録制度や明治神宮の森林管理体制に係る調査を継続した。また、千葉県南房総市や岐阜県大垣市、福島県三島町などにおいて、観光関連施設に導入されたバイオマスシステムの現地調査を行った。さらに、持続可能な観光地管理に資する森林バイオマス利用の可能性の調査をバイオマスボイラーのサプライヤーの側から行った。具体的には、観光地におけるバイオマスボイラー活用の実態を、インタビュー調査と入手した資料の分析により取りまとめるとともに、実際にバイオマスボイラーシステムを導入した複数の観光施設の実地調査を行った。さらに、再生可能エネルギーによる温泉観光地の活用の先進事例として、岩手県八幡平市の地熱を活用した温泉観光地(松川温泉)の実態調査を行った。以上の成果を受け、現状では観光関連施設等におけるバイオマスボイラーの導入事例は少ないものの、今後は森林国である日本における持続可能な観光地づくりにおいては導入の伸びしろが大きいことが確認できるとともに、国産ボイラー等の導入や地域バイオマスの活用が進むことで、農山村社会の多角的な機能向上が期待できることが示唆された。
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