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2019 年度 実施状況報告書

地域の食文化を対象とした観光の形成手法と波及効果に関するアクションリサーチ

研究課題

研究課題/領域番号 19K12561
研究機関日本大学

研究代表者

片上 敏喜  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50628534)

研究分担者 青木 美紗  奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (50721594)
上野 秀剛  奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (70550094)
加賀美 太記  就実大学, 経営学部, 准教授 (80734087)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード食文化観光 / アクションリサーチ / 地域の食文化 / フードツーリズム
研究実績の概要

近年、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを機に、食文化を対象とした観光が注目されている。食文化は、地域固有の風土に根ざした食材、道具、調理法、食べ方などから構成され、地域の観光資源として機能する。しかし、観光を通して食文化が人々の生活にどのように溶け込み、存続・変遷するのか、という相互作用を明らかにした研究はない。そこで本研究では、食文化を対象とした観光活動を「食文化観光」と定義し、多様な研究視角から分析を試みることを目的としている。
初年度となる2019年度は、食文化と観光に関する先行研究および文献資料収集、関連学会・研究会等への参加し、様々な関連情報の収集等の調査を行った。また研究調査において、これまでの観光研究では食を対象とする場合、飲食に関する行為が主であり、対象地域のみにしか存在しない固有の食文化を捉えた観光ではないケースが多いことがわかった。一方で、観光者の食文化への関心の高まりや、訪問先となる地域の生活を実感したいというニーズがあるということについて調査を通じて捉えることができ、地域固有の歴史や文化から形成される食文化を対象とした観光活動の重要性に関して、共同研究者と詳細な検討を行うことができた。
加えて、観光活動に参加した人々の地域の食文化に対する意識や行動の変化について調査を行うため、地域の食文化に詳しいNPOの協力を得て、奈良を対象地として「食文化観光」を企画し、研究者自身が研究対象に関わりながら、実際の観光活動のあり方や参加者の変化を観察するアクションリサーチを実施した。また本アクションリサーチで得た調査データについては、取りまとめて研究誌で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に計画していた食文化と観光に関する先行研究および文献資料収集、関連学会・研究会等への参加等について順調に実施できているとともに、共同研究者との研究に関する検討・議論等についても滞りなく行うことができた。またアクションリサーチによる食文化観光を実施し、調査データを得ることもできた。以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

次年度においては、初年度に行ったアクションリサーチによる食文化観光をさらに実施し、食文化観光への参加者の調査を行うことを通じて、より詳細なデータを収集し、共同研究者と議論を重ねていく。加えて、先行事例等への訪問およびインタビュー調査を可能な限り実施し、本研究課題の意義や課題設定の輪郭をより明確にしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

日本国内で新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が蔓延したため、初年度の年度末(2020年2月~3月)に予定していた遠方での現地調査を行うことができず、旅費支出等が少なくなった。そのため、次年度の請求分と合わせて延期となった現地調査等を実施する予定としている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 「アクションリサーチによる食文化観光の実践と現況-奈良の食文化を対象として-」2020

    • 著者名/発表者名
      片上 敏喜
    • 雑誌名

      『人間科学研究』

      巻: 17 ページ: 55‐66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「運命共同体で育てる海援鯛」2019

    • 著者名/発表者名
      青木 美紗
    • 雑誌名

      『季刊 くらしと協同』

      巻: 31 ページ: 24‐29

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公開日: 2021-01-27  

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