本研究により,工芸における自然と環境の連関について理解を得るための観光サービスは工芸品や産地の構造によって形態は変わるものの、今日的な課題として取り組まれていることがわかった。一方で、個々の施設において、伝統工芸の観光は従事者にとって人手や時間が十分でなく、観光に関する専門的な教育も十分でないことがわかった。ワークショップの開催目的として、「伝統工芸への理解醸成」と「地域貢献」が多かったが、伝統工芸を理解するのに必要だと思われる要素についての説明や配布資料の使用が少ない。特に、自然環境や産業の現状に関する説明の重要性を示した。そのための人材育成が今後重要となることを提言した。
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