研究課題/領域番号 |
19K12578
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
永瀬 節治 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (10593452)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 公共空間 / 水辺 / 社会実験 / プレイスメイキング |
研究実績の概要 |
今年度は、まず本研究の主題であるプレイスメイキング および都市部における体験・交流型観光プログラムに関する既往研究、資料等の整理を行った。さらに、市民や来訪者の居場所づくり・プレイスメイキングの舞台として活用される都市空間資産の中で、河川区域の利用に関する規制緩和等により、各地で活用の取り組みが推進される河川敷等の水辺空間に着目し、官民連携で推進される「ミズベリング・プロジェクト」に登録されている事例を中心に、社会実験等の実施動向や空間の活用内容、運営体制や関連計画等を把握した。加えて、和歌山市の中心市街地におけるプレイスメイキングの実例(実践)を通じた調査として、10月22日に南海和歌山市駅近くの紀の川河川敷(紀の川第5緑地)の芝生広場を、ピクニックや飲食・ものづくり等の体験の場として開放する社会実験「シエキノカワでピクニック。(市駅 "グリーングリーン" プロジェクト 2019)」を地域のまちづくり組織や行政との連携により企画・運営し、マネジメント面からの課題を把握するとともに、来場者アンケート等により利用者のニーズや社会実験の効果を検証した。また、関連企画として開催した、地域資源を活用した体験プログラムを店舗や公共施設等において提供する「市駅・まちなか まちぐるみミュージアム」(10月12日・13日)においても、来場者および主催者へのアンケートを通じて、参加者の動向や実施内容に対するニーズ・課題等を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度においては、プレイスメイキング と体験型観光の連係手法に関する調査として、和歌山市中心市街地において準備が進められていた回遊性創出の実証実験を対象に、来訪者の動きや認識等を把握することを計画していた。これは対象エリアの都市空間資産等を活用した複数の同時開催イベント等が連携し、来場者の回遊を促すものであったが、当初10月に予定されていた開催は台風19号の接近により中止(再調整)となり、その後3月にも企画されていたイベント等も新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となったため、データ収集を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、関連事例に関する資料収集とともに、社会実験等の体験型プログラムの実施現場におけるアンケート調査等のデータ収集が必要となる。新型コロナウイルスの収束状況を見極めつつ、前者に関しては引き続きWeb上で入手可能な情報を中心に収集を進める。後者に関しては、今後の集客型のイベント等に関する地方自治体等の判断を踏まえつつ、取り組みの主催者等と連携を図りながら実現可能性を模索し、必要な感染症対策についても検討しながら、データ収集に向けた準備を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた実証実験に際しての調査が台風および新型コロナウイルスの影響により実施できなかったため、調査協力者への謝金等の関連経費分が繰り越された。今後、新型コロナウイルスの状況も見極めながら、次年度における実証実験の実現可能性を検討するとともに、状況に応じて予算使用計画の適切な見直しを行い、他の調査関連経費への充当も検討する。
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