研究課題/領域番号 |
19K12578
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
永瀬 節治 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (10593452)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 公共空間 / 水辺 / 広場 / 社会実験 / 公民連携 |
研究実績の概要 |
今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大状況の影響を受ける中で、研究計画について一部の見直しを行い、プレイスメイキングの舞台となる中心市街地の公共空間活用に携わるまちづくり会社に着目し、地方都市において都市再生推進法人に指定された全国の事例を把握するとともに、公共空間の活用を含む事業動向や組織体制等の把握を行なった。 和歌山市内における実証実験については、2018年より継続している和歌山市駅付近の紀の川河川敷(紀の川第5緑地の一部)を、市民が気軽に水辺での憩いの時間を過ごせるプレイスメイキングの拠点として活用する社会実験「夕暮れのシエキノカワでピクニック。(市駅 "グリーングリーン" プロジェクト2020)」を9月13日(日)に実施し、来場者アンケート調査等により滞在内容やニーズ、満足度等を把握した。特に今回は感染症対策を講じながら集客要素を削減・縮小して実施したが、コロナ禍においても屋外の水辺でゆったりした時間を過ごす滞在行為への需要は高く、社会実験の内容への満足度も高い結果が得られるなど、貴重な知見を得ることができた。一方で「交流型観光との連係」という面では、他のイベントの縮小・中止等の影響を受け、コロナ禍における実証実験を通じた検証のあり方については見直さざるを得ない状況となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の通り、今年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、調査対象として想定していた和歌山市内における実証実験のあり方や他のイベント等との連係のあり方について内容の見直しを迫られる状況があり、また国内他地域における交流型イベント等についても同様の状況が見られることから、現在進行形の取り組みについてはデータ収集が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
今後のワクチン普及等の見通しも立てづらい状況の中で、和歌山市内での実証調査については、引き続き感染症対策を前提とした実現可能な計画を立てて実施するとともに、コロナ禍以前の国内の取り組みに関する事例調査を続ける。 一方で、ウィズコロナ・ポストコロナを見据えたプレイスメイキングのあり方についても、これからの社会における重要な研究課題となることから、こうした視点からの地方都市における新たなライフスタイル創出につながる実践手法についても研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度も新型コロナウイルスの影響により、実施時期や期間、感染症対策の考慮など、予定していた実証実験のあり方を大幅に見直すこととなったために、調査協力者への謝金や関連経費等の予算にも繰越が生じた。引き続き新型コロナウイルスの収束状況、地域の社会環境を見極めながら、実現可能な実証実験や調査手法について検討し、予算計画についても費目内訳の変更などの適切な見直しを行う。
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