研究課題/領域番号 |
19K12580
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
屋宜 智恵美 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (70398303)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 旅行者ー旅行者の関係 / 旅行経験 / クルーズ / co-creation |
研究実績の概要 |
本研究は、旅行者ー旅行者の関係について、観光産業において近年顕著な伸びを見せていたクルーズ船の乗客を研究対象として探求する趣旨で計画された。ク ルーズ船という外部から閉ざされた特殊な時間と空間の中で、乗客である旅行者同士がお互いをどう認識し、どのように関係を築いていくのか、さらにその接触 や関係が旅行経験や満足度にどのように影響を与えるのかについて考察することを目的とした。クルーズ船上での参与観察とインタビューを中心にデータを収集 し、旅行者ー旅行者の関係の理解、理論の構築を目指し、さらにそれをマーケティングやマネージメントへの実践的な提言へと繋げる計画であった。しかし、新 型コロナ感染症拡大の影響を受け、クルーズ船をフィールドとして観察記録に基づいた研究を展開する研究計画を実行することができず、加えて海外(中国と オーストラリア)の大学に所属する研究協力者も研究が遂行できる状況でなかった。そのため、研究期間をさらに延長し、研究方法等に関しても大幅な変更を加え軌道修正をおこなった。
2023年度は、再びクルーズ船に乗り込む機会を伺ったが、困難だったため、これまでに行った研究で収集したデータの分析を進め、論文執筆を行った。その成果を第12回観光学術学会全国大会において2件発表した:①パネリストとして「旅行者心理・行動の理解をマーケティングに繋げる:複眼的クルーズ旅行者研究を例に」②「コロナ禍での日本人のクルーズ旅行に対する意向や態度 ― Leximancerを使用した分析」。また、①の内容を大幅に加筆修正し、観光系学術誌「観光学評論」に「旅行者心理・行動の理解を観光マーケティングにつなげる: 一連のクルーズ旅行者研究を例に」を投稿し、掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記「研究実績の概要」で述べたように、新型コロナウイルス感染症拡大という研究計画当初予期していなかった状況下で、フィールド調査を行うことができ ず、海外研究協力者との連携も取れない状況の中、研究を進めることが依然として困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、社会の状況を考慮しながら当初の予定通りクルーズ船に乗り込んでのデータ収集が可能であればその方向を優先的に進めたい。懸念が払拭できない場合、研究テーマの趣旨を押さえつつ別の形でのデータ収集(インタビューやアンケート、メディア分析など)を検討し、早急に計画・実施を行う方針である。また、すでにデータを収集した研究に関しても、継続して執筆活動を進め、研究実績につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大という事態を受け、研究申請当初計画していた調査(クルーズ船上での調査)や、海外研究者との意見交換、また学会での発表が 行えなかった。先述した通り、次年度もクルーズ船上での調査等は困難な状況が続く場合は、アンケート・インタビュー調査の遂行を中心に研究費を使用する計画である。
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