研究課題/領域番号 |
19K12581
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
金城 盛彦 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (30317763)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 沖縄観光 / 国内客 / リピート率 / PPM |
研究実績の概要 |
昨年は、一昨年に引き続き、国内観光客の中から沖縄県を含む、国内各地へのリピート客(国内客)を特定するための調査を継続して行いました。スクリーニング調査は、先行研究に合わせた年代の全国民が対象であり、実査は困難なため、計画通りWebモニターを利用し行いました。 具体的には、一昨年の2月に実施した当該期間に、国内旅行の経験がある被験者(調査母集団)を抽出するための「スクリーング」を実施、5000サンプルの調査母集団を確保しました。その上で、沖縄県を含む国内各地域への訪問動向(回数)に関する本調査を、昨年4月に実施しました。結果、1451サンプルを回収し、昨年3月に同じ調査を実施して得られた1500サンプルと合わせて、都合3000弱のサンプルを確保できました。 ここで、調査結果の比較対象となる先行研究を踏まえ、沖縄県への再訪者、非再訪者の属性・特性比較などの調査の実施を図りましたが、調査項目の多種多様性を踏まえ、3000弱では心許ないと判断し、5月に、それまでと同じスクリーニング調査を用い、先の5000の調査母集団とは別の10000サンプルの調査母集団を抽出しました。 その上で、沖縄県を含む国内各地域への訪問動向(回数)に関する3回目の本調査を、昨年5月に実施、4000サンプルを回収し、1、2回目と合わせて、都合7000弱まで調査母集団を拡大し確保できました。この時点で、同じ条件で、沖縄県の再訪率を概算したところ、その値は2割強となり、その結果は先行研究の値とほぼ一致しました。 確保した7000サンプルを対象に、再訪者、非再訪者の特性比較などの調査を6月と9月に実施しましたが、この時点で先行研究と比較を行う上での問題点(一部、スクリーニング時点で質問すべき項目があった点)に気づき、7000サンプルを対象にした追加調査で修正可能か、あるいは改めてスクリーニングからやり直した方が効率的か、再考することとし、一旦調査を中断しています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年当初は、当該期間に、国内旅行の経験がある被験者(調査母集団)の抽出(スクリーニング)を順調に進め、5月の段階では、追加の抽出も経て、7000弱の調査母集団を順調に確保できました。 しかし、その後、調査結果の比較対象となる先行研究を踏まえ、沖縄県の再訪者割合や、再訪者、非再訪者の特性比較などの調査に取り掛かる段階に差し掛かって、比較を行う上での問題点(一部、スクリーニング時点で質問すべき項目があった点)に気づきました。 これにより、7000サンプルを対象にした追加調査で修正可能か、あるいは改めてスクリーニングからやり直した方が効率的か、再考が必要になったため、一旦調査を中断せざるを得なくなったのが、遅延の主因です。 ただし、中断の原因になった部分は、研究主題の詳細な補足に該当する調査であり、メインである、沖縄県への国内リピート客を対象に、その再訪状況を踏まえたPPMが描けるかの分析に必要な、最低限のデータは7000サンプル確保できています。
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今後の研究の推進方策 |
昨年の初夏までには、7000弱の調査母集団を確保し、調査結果の比較対象の先行研究を踏まえ、沖縄県の再訪者割合や、再訪者、非再訪者の特性比較などの調査に取り掛かる予定でしたが、一部、スクリーニング時点で質問すべき項目があった点に気づき、抽出済の7000サンプルを対象にした追加調査による修正か、改めてスクリーニングからやり直すか思案していました。 その後、研究期間の延長が認可されたため、修正を試行し、時間と経費を費やすよりも、スクリーニングから遣り直す方向で、現在準備を進めています。 ただし、研究の主題である、沖縄県への国内リピート客を対象に、その再訪状況を踏まえたPPMが描けるかの分析に必要な、最低限のデータは7000サンプル確保できているので、少なくともその成果をまとめることは、常時可能な状況にあります。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査母数7000サンプルを対象に、再訪者、非再訪者の特性比較などの調査を6月と9月に実施しましたが、この時点で先行研究と比較を行う上での問題点(一部、スクリーニング時点で質問すべき項目があった点)に気づき、その後の調査期間延長の許可を受け、スクリーニングからやり直すことにしたため。 したがって、次年度使用額はまず、今夏を目途に実施する~10000サンプル程度を対象にしたスクリーニング調査を皮切りに実施する、2~3回程度の調査、それぞれ~5000サンプル程度に使用します。一部は、調査結果の1次集計、クリーニングに関して、申請通り補助作業者を雇用するため、その人件費に充てます。さらには、これも申請の通り、研究成果の報告や、それを踏まえた次の発展的研究に関する協議のための翻訳費用や、旅費などにも支出する予定です。
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