研究課題/領域番号 |
19K12589
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
浦野 寛子 立正大学, 経営学部, 教授 (40585957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | おもてなし / ホスピタリティ / サービス / マーケティング |
研究実績の概要 |
本研究は今年が3年目にあたる。本年度の研究予定としては、コロナの影響で昨年度から繰り越しとなっていた中国・台湾・アメリカの消費者へのインターネット調査、海外展開している企業に対するインタビュー調査を行う予定であった。 研究実績としては、昨年に引き続き今年度に関してもコロナの影響で海外への渡航が制限されていたために、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査を行うことは出来なかった。消費者に対するインターネット調査に関しても、アンケートの対象を「直近3年以内の中国・台湾・アメリカからの日本観光訪問者」と設定していたため、こちらも昨年から引き続きコロナの影響で、外国人観光客の入国が制限され、直近3年(特に直近1年)以内に日本に観光に来た外国人旅行者が少なかったため、アンケート調査を行うことを見送った。 こうした点をふまえて、当初予定していた調査が滞ったこともあり、今年度においてはいったん「サービス業」に関する基礎的な研究に立ち返った。具体的には「おもてなし」にも関連するサービス・エンカウンター、顧客満足・顧客ロイヤリティなどの文献研究や国内のサービス企業へのインタビュー調査などを進め、成果としては、共著にて、『サービス・マーケティング』の書籍の出版に結び付けた。また、「コロナ禍における消費者意識の変化と、それに対応したサービス業のマーケティング戦略」に関して国内調査を行い、こちらに関する成果としては、ビジネスケースとしてまとめた。 次年度に関しては、コロナの状況もふまえながら、研究の方向性に関して、当初の計画通り、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査や、中国・台湾・アメリカの消費者に対するインターネット調査を行うか、あるいは昨年度・今年度同様、当初の計画から一部変更した上で、サービス業のマーケティング戦略に関して研究を進めていくか慎重に検討して進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3年目である今年度は、「研究実績の概要」のところでもふれたが、コロナの影響で、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査や、中国・台湾・アメリカの消費者に対するインターネット調査が出来なかったこともあり、当初の研究に関しては、「遅れている」と言わざるを得ない。 そもそも、当初の計画においては、研究の目的は3つあった。第1に、「おもてなし」概念やそれを構成する要素を明示すること。第2に、日本企業の主な進出先であると考えられるアメリカ・中国・台湾の消費者が、日本の「おもてなし」をどう捉え、どのような要素に特に注目・期待しているかを明らかにすること。第3に、「おもてなし」の海外展開戦略を立てる際に依拠する枠組みを構築することであった。 第1の目的に関しては、1年目の文献調査でほぼ整理できている。第2の目的に関しては、アメリカ・中国・台湾の消費者に対するインターネット調査が出来ていないため、目的を達成できておらず、進捗状況は遅れている。ただし既に、アンケートの設問項目構成に関しては完成しているため、アンケートの調査対象を変更することで、次年度調査をすることも可能であるが、そもそも調査対象を変更してまでアンケートをとるべきか、別の方向性で研究を進めていくかに関しては慎重に検討したい。第3の目的に関しては、コロナによる渡航が制限される前に、1年目に、アメリカ・中国・台湾に展開している日系企業に対するインタビュー調査を、当初の計画以上に進捗させていたため、ある程度の仮説は構築できている。 以上のようなことから、コロナの影響で昨年度に引き続き、今年度に関しても、思うような研究計画が達成できなかった。 しかしながら、コロナの影響で当初の研究が進捗できないことを見越して、今年度は方向転換し、サービス・マーケティングに関する基礎的な研究を進めて書籍を出版することが出来た点ではよかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に関しては、コロナの状況を見て慎重に見極めていきたいが、日本から海外(中国・台湾・アメリカ)への渡航がいまだ制限されている状況を鑑みると、海外に展開している企業に対する現地インタビュー調査を行っていくことは難しいと考える。 また、日本への外国人観光客の入国がここ数年制限されていたため、当初の研究計画通り、アンケートの対象を「直近3年以内の中国・台湾・アメリカからの日本観光訪問者」と設定したままでは、想定していた有効回答者数を確保することが難しい。 したがって、こうした問題に対する対応策としては、第1にアンケートの対象を見直し、変更した上でアンケートを実施したい。対応策の2つ目としては、アンケートの実施を見送ることである。こちらに向けていた予算は、例えば昨年度・今年度に行った派生研究である「コロナ禍における消費者意識の変化と、それに対応したサービス業のマーケティング戦略」に関する文献購入費や現地インタビュー調査などに関する費用に充てていきたい。 (※研究内容的に、コロナによる影響が大きいため、コロナの影響を鑑みて、研究期間を更に1年延長することも今後検討していきたい)
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度・今年度と、コロナの影響で海外への渡航が制限されていたために、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査を行うことは出来なかった。インターネット調査に関しても、アンケートの対象を「直近3年以内の中国・台湾・アメリカからの日本観光訪問者」と設定していたため、こちらもコロナの影響で、外国人観光客の入国が制限され、直近3年(特に直近1年)以内に日本に観光に来た外国人旅行者が少なかったため、アンケート調査を行うことを見送った。ゆえに、計画が想定通りに遂行できず、次年度使用額が生じてしまった。 次年度の使用計画としては、日本から海外(中国・台湾・アメリカ)への渡航が問題なく可能になれば、海外に展開している企業に対する現地インタビュー調査を行うため、旅費として使用していきたい。また、中国・台湾・アメリカの消費者に対するインターネット調査の実施を行う場合は、インターネット調査の展開と回収費用として経費を計上していきたい。 ただし、「今後の研究の推進方策」の所でも述べたように、コロナの影響で現地インタビュー調査や、海外へのアンケート調査が難航した場合には、こちらに向けていた予算は、例えば昨年度・本年度に行った派生研究である「コロナ禍における消費者意識の変化と、それに対応したサービス業のマーケティング戦略」に関する文献購入費や現地インタビュー調査などに関する費用に充てていきたい。
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