研究課題/領域番号 |
19K12600
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研究機関 | 北陸学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
沢田 史子 北陸学院大学短期大学部, コミュニティ文化学科, 教授 (20456429)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 観光行動力 / 高齢者 / 歩数 / モニタリング / 歩行能 / 観光動機 |
研究実績の概要 |
人口減少による国内旅行市場の縮小が懸念されている中、70歳以上の高齢者は2048年頃まで世代人口が増加するため、国内旅行市場における重要性が指摘されている。世代別の年間国内宿泊旅行回数は、60歳代が最も多いが70歳以上では大幅に減少している。旅行回数が減る要因の一つとして、高齢者が観光旅行に出掛けどの程度行動できるかに不安を感じていることが挙げられる。本研究では、申請者らがこれまでに計測・蓄積した高齢者の歩数と健康に関する知見を基盤とし、高齢者の日常生活についてセンサを用いてモニタリングするとともに、実際の観光地でのツアーによって客観的・主観的評価により観光行動力を導出する。さらに、自身の観光行動力を知ることが安心・安全に観光旅行に出掛けることに繋がるかを明らかにし、高齢者の国内宿泊旅行者を増加させるための方向性を示すことを目的としている。 2020年度は、観光行動力導出のために、71歳の男性1名を対象に予備実験を行った。観光ツアーは、40分(500m)、60分(900m)、90分(1300m)の3つのコースを兼六園に設定し、活動量計、心拍計を装着して実施した。ツアー前後に主観的な疲労度調査を行った。さらに、被験者の1か月の活動量モニタリングを行った。国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針である「健康日本21(第二次)」の65歳以上目標値は男性7,000歩であるが、本被験者は平均8,449歩/日であった。観光ツアー時の心拍数から導出した疲労度および主観的な疲労度評価ともに、疲労度は低い結果となった。 予備実験で設定した観光ツアーのコースは、時間に対し移動距離が短いため、被験者の疲労度に差が出にくいことが示唆された。今後は、コースを見直し被験者ツアーを実施し、観光行動力を導出する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症のため、観光ツアーは予備実験のみ行い、被験者対象のツアーが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症のワクチン接種が進んだ段階で、被験者対象のツアーを実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大により、被験者ツアーが実施できなかったため。残った経費は、次年度の謝金に使用を予定している。
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