新型コロナウイルス感染症がほぼ収束したことを踏まえ、2023年度は、本研究に基づくチリでのヒアリング調査を初めて実施することができた。期間は2023年9月23日から10月4日(移動日は含まない)、機関や組織としては、チリ女性庁(Ministerio de la Mujer y la Equidad de Genero)およびサンティアゴ市内 El Bosque地区の女性センターでの聞き取り調査と情報の収集を行なった。個人へのインタビュー調査としては、Claudia Bravo氏(女性)とその娘であるVioleta Bravo氏(女性)に対するヒアリングを行い、チリ女性の世代によるジェンダー意識の違いについて聞き取りを行った。また、男性からの視点の重要性を鑑み、Leonel Ramirez氏に対するヒアリングも行った。 研究期間全体を通しては、新型コロナウイルスの世界的蔓延とそれに伴う渡航制限があったために、当初予定していたインタビュー調査、特に農村女性に対するそれが十分に実施できなかった。今後の課題としたい。一方で、チリ女性について分析している文献の収集と精読、統計調査等の収集といった、インタビュー調査以外の研究成果・資料を蓄積することはできたので、今後はこれらを順次、成果として発表していく。
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