JAのヘルパー養成事業がケア労働充足を目的とするものであり、家族内での介護を社会化することに直結されていないこと、さらに同時に農家の階級的特殊性が障壁となり、ジェンダー固定化要因としての家族内介護を止揚することにはつながらなかった。一方で、事業への参画過程で培われた人的関係、社会への関心の高まりは女性たちのエンパワーメントに繋がり、NPOの設立等の動きをもたらしたが、そのことがさらに女性たちの地域との関わり方を非経済領域に閉じ込める結果となった。 女性の自立を阻害している家庭内介護の社会化を徹底し、農業法人を通じた男女平等賃金に基づく雇用関係、実効性のある平等な分配システムの構築が必要である。
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