研究課題/領域番号 |
19K12619
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
風間 孝 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (50387627)
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研究分担者 |
釜野 さおり 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 第2室長 (20270415)
林 夏生 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (20311673)
藤原 直子 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (20329642)
北仲 千里 広島大学, ハラスメント相談室, 准教授 (60467785)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性的指向 / 性自認 / 大学 / 性的マイノリティ / 同性愛者 / トランスジェンダー / 教職員 |
研究実績の概要 |
目的:性的指向や性自認に関するハラスメント防止の取り組みが要請され、大学においても取り組みが開始されている状況の中で、大学においてさらなる取り組みを進めるためには、現場の教員たちが性的指向や性自認に関してどのような認識を持ち、また性的マイノリティの学生や教職員への取り組みに関してどのように感じているが重要となる。このような問題意識から、性の多様性や性的マイノリティに関しての知識や認識、大学における経験、勤務している大学の取り組みについての認識について大学教員を対象とした調査を実施した。 方法:本調査は日本の大学に所属する専任教員を対象に無作為抽出をおこない、大学数791校、教員数180,980人の中から632校から1,792人を抽出し、自記式の調査票を用いて実施した。 結果:約4割の大学教員が大学で性的マイノリティの学生と出会った経験があり、約1割5分の教員が勤務している大学で性的マイノリティの教職員に出会った経験があると回答した。約1割の教員が性的マイノリティであることを打ち明けられ相談された経験を持っていた。また約1割5分の教員が大学で性的マイノリティに関して差別的・否定的な言動を見聞きしていた。 しかし、勤務する大学に性的マイノリティ支援のためのガイドライン等があると答えた割合は約1割であり、同性愛者もしくはトランスジェンダーの学生、同僚に抵抗感をもつ教員が1割前後いた。また性の多様性・性的マイノリティについての知識の正答率が70%を超えたのは12項目中3項目であった。また戸籍の性別をプライバシーとして認識すべきであること、本人の同意なく性的マイノリティの学生についての情報を共有すべきでないこと、配慮することがあるか尋ねる場合は性的マイノリティ学生からカミングアウトされてから行うべきこと、等についてはまだ教員間で共有されていないことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、インタビュー調査の実施が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
セクシュアリティに焦点を当てている大学のサークルを対象に、大学の性的指向・性自認に関する大学の施策についてや大学の環境についてインタビュー調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、性の多様性に関する大学生のサークルへのインタビュー調査が遅延した。本年度は、インタビューの実施並びに活字化のためのデータ起こしおよび調査結果を検討するための会議費用として使用する。
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