研究課題/領域番号 |
19K12634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
兵頭 俊夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 協力研究員 (90012484)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 陽電子回折 / TRHEPD / 表面構造 / Si(111)7×7表面 / 再構成表面 / 動力学的回折理論 |
研究成果の概要 |
本研究では、最表面近傍の原子座標を高精度に決定できる全反射高速陽電子回折(TRHEPD、トレプト)を利用してSi(111) 7×7 再構成表面の構造を解析した。 ノイズを低減するためのチャンバーの改良を行った。自動的な解析法を開発した。さらに再構成表面の超構造からの回折スポットが重なっているデータを解析するための方法も開発した。得られたデータから、これまでに提案されている2つの基本的なモデルを比較し、いわゆるDASモデルが正しいことを確認した。引き続いて、DASモデルの中でこれまで報告されてきた原子座標の正しさを調べ、再構成されたすべての原子の3次元座標のTRHEPDによる決定を行う。
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自由記述の分野 |
表面科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質表面の特性や機能は構成原子の種類と配列で決まるので、構造(原子配列)決定は表面研究に不可欠である。高性能半導体素子や先端的触媒においては、最表面の活用がますます盛んになっており、材料製造過程において表面の原子配列の制御が注目されつつある。 TRHEPDは、様々な手段のなかでも、最表面から4原子層までに感度が高く、再構成表面の原子座標を3次元的に決定するには最適である。第一原理計算で測定されたデータを再現するのではなく、第一原理計算に頼らず、むしろ、それとつきあわせるための実験データを与える回折による構造解析法の中でも、表面感度の高いTRHEPDの利用は今後ますます重要になると思われる。
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