研究課題
基盤研究(C)
中性子は原子核により直接散乱されるため物質中の水素位置を決定することに適していると言われているが、実は重水素だけに有効で、中性子と同等に軽量な軽水素に対しては反跳現象による非弾性散乱過程のために不向きである。本研究では、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、錯体系水素化物、遷移金属系水素化物、および重水素化物などの中性子回折測定を実施して、中性子の波長と散乱角により変化する干渉性散乱断面積が結晶構造因子に与える影響を解析した。
中性子科学
本研究で得られた中性子の波長と散乱角により変化する干渉性散乱断面積に関する知見は、重水素化が困難で構造解析が断念されてきた軽水素化物の構造解析を可能にすることが期待される。