タンパク質の量子ビーム架橋メカニズムを定性・定量的に明らかにし、架橋タンパク質の物性(膨潤度、硬さ、粒径)変化の要因を初めて解明した。本研究で明らかにしたタンパク質の放射線架橋メカニズムに基づき、平均粒径5-20 nmを有する放射線架橋ゼラチンナノ粒子の作製に成功した。粒径を精密に制御したゼラチンナノゲルにGdを担持させ、MRI造影剤として腫瘍マウスへ投与した。直ちに腎臓に顕著なMRI信号上昇が観察され、投与2時間後には共に投与前の信号に近いレベルまで低下した。以上より、生体適合性の高いゼラチンを基材とした、脳内に入らず、体外排出の早い、より安全なMRI造影剤の作製に世界で初めて成功した。
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