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2022 年度 実績報告書

アニメーションによる情報デザインの史的研究:アイソタイプ映画と同時代の情報映画

研究課題

研究課題/領域番号 19K12660
研究機関九州大学

研究代表者

伊原 久裕  九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20193633)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードピクトグラム / アニメーション / アイソタイプ / 1940年代 / フィリップ・ラーガン / プロパガンダアニメーション
研究実績の概要

本研究はアニメーションを用いた情報デザインである「情報アニメーション」の表現に関する歴史研究の試みとして,ピクトグラムを用いたアニメーションで知られるアイソタイプが制作された同時代に着目し,特にアニメーション制作を行った米国人デザイナー,フィリップ・ラーガン(Philip Ragan)を中心として,その活動を調査し,考察することを目的としている.
2022年度は10月にピクトグラムをテーマとした初の国際シンポジウム「Symbol'22: Symbol Sourcebook @50」がオンラインで開催された.世界のピクトグラム研究者が一同に会する同シンポジウムに招待され,『運動するピクトグラム:1940年代のピクトグラムアニメーションを中心に』と題する研究発表を行った.発表ではP.ラーガンのピクトグラム・アニメーションに匹敵する作品はないものの,ディズニー・スタジオをはじめ,部分的にピクトグラムを取り入れたアニメーションについては比較的豊富な試みがあったことを示した。とりわけ地図表現へのピクトグラムの導入は,戦時中のプロパガンダアニメーションで数多く見られた.他方でピクトグラムによる人物のキャラクター表現は少数の例外を除きほとんど見られなかったことを報告した.またアニメーションとピクトグラムとの親和性を問題とし,ピクトグラムの造形的特徴である目鼻の省略や、シルエット表現などが,同時期のアニメーションが達成していた表現と比較すると制約として機能していた一方で,そのことがピクトグラムアニメーションの独自の特徴をもたらしている可能性も示した。
これまでの本研究によって,北米を中心に1930年代から40年代のピクトグラムを用いたアニメーションの全体像の一端を明らかにすることができた.今後はピクトグラムとカートゥーンとの関連性など,より広い視野からこの動向についての調査を計画している.

備考

国際会議で発表した論文を中心として公開した。なお、このWebページは、将来的にピクトグラムアニメーションを出発点に、カートゥーンとの関連や図像統計の展開などを含んだ北米の「ピクトグラム文化」の研究プラットフォームとして構想している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] From Pictorial Statistics to Pictographic Animation: Philip Ragan’s Investigation of Pictographic Animation to Dramatize Facts (1934-1946)2022

    • 著者名/発表者名
      Ihara Hisayasu
    • 雑誌名

      [ ] With Design: Reinventing Design Modes. IASDR 2021

      巻: IASDR 2021 ページ: 2851~2873

    • DOI

      10.1007/978-981-19-4472-7_185

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Pictograms in Motion: North American Animated Film Pictograms During the 1940s2022

    • 著者名/発表者名
      Hisayasu Ihara
    • 学会等名
      Symbol '22: Symbol Sourcebook @50
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 標準化以前のピクトグラム:1930年代以降の北米のピクトグラム文化

    • URL

      http://picto-study.com/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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