本研究の目的は「景観に配慮した駐輪環境のあり方」を明確にすることである。初年度国内外の調査をした段階では、まだコロナが世界に影響を及ぼす状況ではったが、コロナ禍、もっともモデルとして取り組む京都市の状況が変化し、将来予測がむづかしい社会状況になり、その中この研究を進めてきた。延長後の最終年2023年度には、ようやく社会状況がコロナ前の状況に戻ると共に、京都市内でのインバウンドを中心とした、自転車観光需要も増加してきた。その中、初年度に行った①調査1、京都市の観光拠点における駐輪環境の現状課題の確認を再度行なった。その上で、調査先について④分析を、景観の質から明らかにしていった。調査項目は「駐輪場の形態分類」「利用状況」「案内状況」「駐輪場構成要素」「駐輪場の周辺状況」である。その調査に基づき、「視覚的な発見しやすさ」「物理的な入りやすさ」「とめやすさ」「施設としての景観」「利用状況としての景観」をそれぞれ、研究者による評価を行なった。 ・⑤研究(駐輪環境の要素の抽出とデザイン分析)、回復してきた京都の観光拠点での自転車駐輪施設のニーズではあるが、将来の十分な自転車駐輪ニーズの量については、把握が難しい状況であったため、質についての研究を進めた。 ・⑥作成(駐輪環境の具体的な設計手法の開発と実証実験)では、観光拠点での一つである熊野若王子神社で景観配慮型の駐輪環境を設計事例を現場施工を行なった。今後引き続きこの場の使われ方などを、継続的に観察していく予定である。これにより、最終⑦構築では、今回①で調査を行なった各寺社仏閣などのロケーションに応じた、景観配慮型の駐輪施設としてどういった設計の考え方が、景観に配慮されたものとなるのか、メーカーの製品による設計事例を示すことで、本研究の最終的な目標である「観光拠点における駐輪環境デザインの設計ガイドライン」を完成させた。
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