研究課題/領域番号 |
19K12669
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
定国 伸吾 静岡理工科大学, 情報学部, 准教授 (00454348)
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研究分担者 |
松田 崇 静岡理工科大学, 情報学部, 講師 (20781454)
水野 信也 静岡理工科大学, 情報学部, 教授 (60714524)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 風景記録システム / 風景からの色彩抽出 / グラデーション / 色彩の予測 / 情報デザイン / データサイエンス / 地域資源 |
研究実績の概要 |
2019年度は、おおむね当初計画通りに実施した。主な内容は「A.予測手法の検討:定点からの画像及び関連情報の収集装置とそれらからの予測システムの確立」、「B.予測配信のための情報デザインの検討:その予測や記録を提示するための情報デザインの検討、およびインターフェイスや機能の考案・試作」であった。 各項目に対する実績は次の通りである。 A:予測手法の検討:記録画像の質の改善として、それまでに実施していたwebカメラによる記録手法から、一眼レフカメラを用いた記録手法に変更し、そのシステムを開発した。これは、記録画像上の色の再現性の向上をめざしたものである。また、記録された画像に含まれる色彩のうち、グラデーションに着目し、分担者のひとりである松田が、デザイナーとしての感性により教師データを抽出し、それに基づいた「美しいグラデーション」の含まれる画像抽出を試みた。 B.予測配信のための情報デザインの検討:グラデーションを愉しむサイトとして、ウェブサイトの構築をはかった。このウェブサイトは、その試作を下関美術館「第5回 日中韓三大学交流作品展・東亜大学芸術学部アート・デザイン学科卒業制作展」での展示も実施し、鑑賞者からのフィードバックを得た。また、そのシステム内にweb-APIの提供機能も試作し、指定日時のグラーデーションが設定されたcssや、SVG画像の提供を可能とした。また、次年度以降の準備として、袋井市役所と連携し、市の事業においてこの色彩を活用した広報物の作成について検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の課題である、A:予測手法の検討、B.予測配信のための情報デザインの検討ともに、その検討や調査についてはおおむね順調に進んでいる。主な内容は概要に記したが、例えば、Aにおいては、記録システムの記録画像の質の向上を計った他、記録画像を用いた色彩の予想、美しいグラデーションの含まれる画像の抽出などに取り組んだ。Bについては、記録した画像から得られるグラデーションの活用としてウェブサイトやAPIを試作した他、次年度の市の事業に、これらの色彩を活用した情報デザインを利用することについて、検討を進めた。 一方で、これらの成果の公表については、コロナウィルスの影響もあり、2019年度末に予定していた学会等での発表が叶わず、いくつかの成果公表を次年度に持ち越している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの影響により、成果公表(学会発表や作品の展示)に支障がでる可能性があるが、それ以外の事業については当初計画通り進める予定である。成果公表については、2021年度に集中的に実施することも検討しながら計画をすすめる。
次年度の計画は次のとおりである。 A.風景の記録と予測:定國と水野は、2019年度に引き続き、予測システムの確立を進める。2019年度に実施する夕焼けの予測の精度向上を目指すとともに、2019年度に記録した新たなデータを用いた分析に取り掛かかるなど、記録システムを完成させる。 B.予測配信のための情報デザイン、インタラクションデザイン:定國と松田は、2019年度の予測手法検討の成果と、予測配信のための情報デザインの検討を踏まえ、予測配信のためのコンテンツ試作と、情報デザインのベースとなる、色・レイアウト・書体(フォント)などへの活用を検討する。 C. APIを通じたデータの提供と活用:定國と松田は、2020年度中頃までに得られている予測結果やその精度を鑑みながら、第三者のデザイナーやエンジニアへのデータの提供を仮定したAPIの設計と試作を行う。一部2019年度に実施済みの内容を踏まえその改善をおこなう。またこの際デザインの実務家でもある松田は、デザイナーの立場からこの機能の活用も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度末に、参加予定であった学会が新型コロナウイルスの影響で延期になった関係で、次年度使用額が生じている。この学会で発表予定であった内容は未だ未発表の状態であり、本年度にこの発表を実施したいと考えている。このため予算は、当初予定通りに学会発表等の、参加費、旅費等に充当する。 また、参加学会については、まだの案内がない状態ではあるが、経営工学会、日本ソーシャルデータサイエンス学会、デザイン学会を予定している。
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