我々が暮らす街では,日常的に利用する街路や友人の多い街路などは近く感じることが多く,逆に寂しく暗い街路,初めて通る道などは長く遠く感じる。これは,認知空間における心理的距離と呼ばれるが,災害時における避難の際に大きな影響があると考えられる。 本研究では,都市居住者の認知空間を距離感に影響を与える要素について抽出し統計的に分析することで,現実空間との「ゆがみ」を抽出することを目的としている。約200名の児童と成人を対象とした調査結果をもとに,描画要素についてGISを用いた分析を行った。最終的に,推奨される避難経路と避難場所の設定手法についての知見を得た。
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