研究課題/領域番号 |
19K12688
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
佐賀 一郎 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (30740708)
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研究分担者 |
山本 政幸 岐阜大学, 教育学部, 教授 (80304145)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | デジタルアーカイヴ / ポスターアーカイヴ / アートアーカイヴィング / シンポジウム |
研究実績の概要 |
本研究は独立したデジタルアーカイブを構築し、かつそれらが共通の知的体系のもとに連携することを目指すものである。2020年度は、基礎的作業として(1)研究誌へ「デザインアーカイヴの連携をめざして」を寄稿した。(2)また、2020年度に多摩美術大学が寄贈を受けた「和田誠アーカイヴ」について、その構築と連携の可能性をシンポジウムで発表した。(3)(4)最後に、本研究で取り扱っているデジタルアーカイヴ「竹尾ポスターコレクション・データベース」を全面的に活用した大規模な展覧会「20世紀のポスター」展の企画監修/カタログ監修/ギャラリートーク等を行った。今後、これらの実績を総合的に記録し、またデジタルアーカイヴに還元する方法を検討する。以下は、2020年度の実績のリストである: (1)2019年度に登壇したシンポジウムでの講演内容の寄稿。佐賀一郎(研究代表者)「デザインアーカイヴの連携をめざして」『軌跡』2号、pp. 9~16(編集/発行:多摩美術大学アートアーカイヴセンター 、2021年3月31日)。 (2)シンポジウム登壇(2020年12月5日、第3回多摩美術大学アートアーカイヴシンポジウム、主催:多摩美術大学アートアーカイヴセンター/協力:多摩美術大学メディアネットワーク推進委員会)、佐賀一郎(研究代表者)「和田誠アーカイヴ寄贈の報告とその可能性」。 (3)展覧会「20世紀のポスター[図像と文字の風景]」の企画監修/カタログ監修/ギャラリートーク等(会期:2021年1月30日~4月11日/会場:東京都庭園美術館/主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館、日本経済新聞社/企画協力:多摩美術大学/特別協力:株式会社竹尾)。 (4)雑誌記事「構成的ポスターにおいて、私たちにおいて」『アイデア』393号、137~144(誠文堂新光社)の執筆。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 2020年度は、東京都庭園美術館で開催した「20世紀のポスター」展を通じて、デジタルアーカイヴが企画から展示構成/コンテンツ編成、展示デザインにいたる各領域で果たすことのできる役割・可能性を十二分に実証できた。これは予定した以上の成果であったと考えている。 一方で、デジタルアーカイヴの連携という点については、具体的な着手がやや遅れている。2021年度にはデータ入力など基礎的な部分をリカバリーしたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はデザイン系アーカイヴの構築と連携を目指すものとして「竹尾ポスターコレクション」「勝見勝資料アーカイヴ」「DNPポスターアーカイヴ」「佐藤晃一アーカイヴ」「和田誠アーカイヴ」の連携を目指すものである(和田誠アーカイヴは、2020年度に多摩美術大学アートアーカイヴセンターに寄贈された)。2021年度の目標として以下を掲げたい: (1)研究活動におけるデジタルアーカイヴの価値を定位すること──2020年度に東京都庭園美術館で開催された「20世紀のポスター」展への企画協力を通じて得られた、デジタルアーカイヴが企画から展示構成/コンテンツ編成、展示デザインにいたる各領域で果たすことのできる役割・可能性を定位することを目指したい。これは、デジタルアーカイヴの〈連携〉の意義を考察するための基礎的作業となるだろう。 (2)アーカイヴの基礎データを入力し、具体的なデジタルアーカイヴ連携の準備を進めること──具体的なシステム検討のために、本研究がカバーする各アーカイヴが包含するコレクションの基礎データの入力を進めることで、続くデジタルアーカイヴ連携を準備したい。
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備考 |
(1)は、本研究が研究対象としているデジタルアーカイヴのひとつ竹尾ポスターコレクション・データベースを用いて企画協力した展覧会のウェブサイトである。(2)は研究代表者の所属機関による同展覧会の提供サイト、(3)(4)は、同名の展覧会のために行ったギャラリートーク映像のインターネットを通じた配信(47'16'')である。それぞれInstagram, YouTubeサイトである。
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