研究課題/領域番号 |
19K12710
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
三野 行徳 国文学研究資料館, 研究部, プロジェクト研究員 (30714224)
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研究分担者 |
伊達 元成 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 学芸員 (70620897)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 蝦夷地 / 北海道移住 / 武家 / 士族 / 明治維新 / アイヌ / アーカイブズ |
研究実績の概要 |
本年度は、研究初年度として、研究基盤を構築するべく、北海道・東北地方で資料整理・史料収集に取り組み、北海道伊達市に伝来した歴史資料の収集・整理を行うとともに、東北地方各地に伝来した、近世~明治初年の蝦夷地に関わる歴史情報を収集した。具体的には、以下の通りである。 北海道伊達市において、亘理伊達家伝来資料、田村家文書、佐藤家文書の整理を行った。田村家文書は、亘理伊達家の北海道移住を主導した亘理伊達家家老の家に伝来した資料群であり、ご当主の協力を得て、整理を進めている。次年度、目録を刊行する予定である。佐藤家は新出の亘理伊達家家臣の家に伝来した史料群である。こちらも基礎調査を終え、次年度、本格的な整理作業に取り組む予定である。 東北地方では、宮城県亘理町において、二階堂家文書、志賀家文書の整理を行った。二階堂家文書は亘理伊達家家臣の家に伝来した史料で、亘理町史資料編として成果が刊行される予定である。志賀家文書は、亘理伊達家家老の家に伝来した史料群で、二階堂家文書に続けて成果をまとめる予定である。 その他東北地方の歴史情報の収集としては、山形県鶴岡市において、庄内藩の蝦夷地支配に関する史料を収集した。岩手県盛岡市では、南部藩の蝦夷地支配に関する史料を収集した。南部藩は幕末期、噴火湾地域を支配しており、明治初年に亘理伊達が移住した地域の前近代の様子を記す資料が豊富に残されている。 以上の他、共同研究の成果を本科研課題期間にまとめるべく、論文集刊行に向けた研究会を開催し、研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、初年度の活動として、基盤構築に取り組んだ。 北海道伊達市では、これまでに取り組んできた亘理伊達家・田村家の史料に加え、新出の佐藤家文書の発見・整理に取り組むことができた。さらに、田村家文書に関しては、整理を終えることができ、今後目録を刊行することによって、本研究の課題である、資源化のめどが立ったことが重要である。 東北地方でも、盛岡藩(岩手県)、庄内藩(山形県鶴岡市)でまとまった史料を収集することができたことに加え、これまで取り組んできた亘理町での成果が、町史資料編として刊行できることになった。これも、資源化の成果と位置づけることができる。 以上から、近世~明治初年の蝦夷地に関わる史料情報の収集・整理・資源化という課題を一定程度実現することができたと考え、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
東北地方に伝来した近世~明治初年の史料情報の収集に関しては、東北諸藩の情報を予定通り収集していく。二年目となる令和二年度は、盛岡藩・庄内藩について継続して取り組むことに加え、史料の存在が確認できている弘前藩(弘前市)、秋田藩(秋田県)についても、重点的に調査を行う。 明治初年の移住者が北海道に持ち込んだ史料の整理に関しては、伊達市での整理を引き続き行い、田村家文書目録を刊行するとともに、引き続き目録作成を行う。 資源化に関しては、亘理町でも引き続き史料調査を行い、成果を史料集として発表する。 以上に加えて、武家の北海道移住に関する共同研究の成果を本科研最終年度に論文集として刊行するべく、研究会を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に予定していた、国立国会図書館における文献複写(マイクロフィルム印刷)が、新型コロナウイルスの影響で実施できなかったため、複写代金に残額が生じた。
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