研究課題/領域番号 |
19K12710
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
三野 行徳 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 客員教員 (30714224)
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研究分担者 |
伊達 元成 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 学芸員 (70620897) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 武家 / 北海道移住 / 仙台藩 / アイヌ / 地域資料 / 歴史情報 |
研究実績の概要 |
本年度は、コロナ禍の影響により北海道や東北地方での充分な調査が行い得なかった。そのため、これまでに調査・調整を進めていた資料を対象に、研究協力者や現地関係者とオンラインでの研究会やミーティングを行い、以下の点について研究を進めた。 ①既に調査を進めていた北海道伊達市所在の資料の目録作成、②研究成果の論文集刊行のためのオンライン研究会の実施、③亘理町での資料整理、④東北地方でのこれまでの成果のまとめ、を中心に進めた、 ①は、北海道伊達市所在のa.田村家文書およびb.佐藤家文書の整理を進めた。田村家文書は亘理伊達家重臣の家であり、これまで、同家所蔵資料の調査を進めてきた。本年度は、同家資料の目録を刊行するため、写真データをもとに詳細な目録を作成し、目録編成を行い、書・画・和歌・写真・武具など多種多様な資料の目録への掲載方法を検討した。 ②は、本科研代表・研究協力者・現地関係者とともに、武家の北海道移住についてのオンライン研究会を開催し、研究成果をまとめた。 ③は、亘理町所在の亘理伊達家関係資料の調査を進めるとともに、翻刻を行い史料集作成の準備を進めた。 ④本来、本年度は山形県や青森県、岩手県での資料調査を進める予定であったが、コロナ禍のため、宮城県・北海道で各一度、短期間の調査を行うことしかできなかった。一方、初年度に山形県・岩手県での調査を行うことができたため、写真データと現地関係者との調整の成果から、東北地方での途中経過的な成果をまとめることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の課題は、①北海道に所在する前近代の諸大名・武家等の資料情報、②東北等の諸大名家文書等に所在する前近代の北海道(蝦夷地)に関する資料情報を組織化するとともに、③そうした事態を惹起した明治初年の武家の北海道移住についての研究を進めることである。そのためには、北海道及び東北地方での資料調査や現地関係者、資料所蔵者との調整が欠かせないが、本年度はコロナ禍の影響で、北海道・東北地方での調査は1度しか行えず、新たな資料の発見や現地での整理は行えなかった。そのため、既に調査を進めていた資料の写真データをもとに、目録や史料集の作成を進め、武家の北海道移住についての研究報告会を行うことで研究を進めた。 以上のことから、目録や史料集の作成、研究会を行うことはできたものの、実地での調査はほとんど行えなかったことから、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
実地での調査は、今後もどれだけ充分に行えるか見通しが立たない。一方で、本年度の経験から、オンラインでの調整や研究会等はある程度行えることがわかった。そのため、本研究課題では、本年度も①これまでに整理した田村家文書目録の発表、②亘理町関係史料の翻刻・史料集作成、③研究協力者との研究会の開催と成果論文集の作成、を中心的な課題として設定する。本科研のテーマからは、とくに東北諸藩の資料調査は遅れているが、各地域の資料所蔵機関の担当者とは、オンラインである程度調整できる見通しがたったため、東北地方での調査は、状況を見て柔軟に行うこととし、①~③の実現を中心に、研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本科研は、北海道・東北地方等での実施調査が必須であるため、旅費に多くを計上していた。しかし、本年度はコロナ禍のため、宮城県と北海道で各一度、短期間の調査を行い得たのみであったため、旅費計上分が充分に執行できなかった。 次年度は、状況が改善し次第、研究協力者と共に中長期の実地調査を行う予定である。
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