研究課題/領域番号 |
19K12717
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
富澤 浩樹 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (60348315)
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研究分担者 |
阿部 昭博 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (70305291)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 震災関連資料 / 循環型アーカイブ / OPAC連携 / 震災学習 / 動画データ / 震災ガイド / 復興ツーリズム / 情報システム分析 |
研究実績の概要 |
本研究では,被災地域で活動する「震災ガイド」に着目し,図書館の所蔵する震災関連資料の利用活性を目指したデジタルアーカイビングシステムの運用効率を向上させることを目的とする.その上で,資料循環型デジタルアーカイビングシステムに求められる持続可能な運用モデルの構築と提案を目指している.今年度は,主に以下の2点を進捗させた. 1.先行研究の課題整理と資料の利用活性に向けた既往研究の精査 本研究に先立って実施された「利活用場面を一体的に捉えた震災関連資料デジタルアーカイビングシステムの基礎研究(基盤研究(C)16K00439)」の課題整理を行なった.その結果,震災学習時に撮影された動画データが未活用のままであること,システムに新たに登録された関連資料が検索の対象となっていないことを確認した.以上を踏まえ,システムに求められる機能について,既存システム,既往研究を対象に調査を行った. 2.震災ガイドが提供する情報のアーカイブ方法の検討と必要なシステムの開発 震災ガイドの提供するスタディーツアーを記録するための方法を探るために,近隣の観光地で行われたガイド付きツアーに参加し,動画データ,画像データ,360度動画データ,360度画像データを得た.取得したデータに基づいて検討した結果,360度動画データについては,周辺状況を漏らさず記録されるが,ガイドとその参加者だけではなく無関係の人が入り込んでしまうため,肖像権に配慮するための加工が困難であることがわかった.一方,360度画像データについては,専用ソフトを用いた肖像権に配慮するための加工が,360度動画データに比べて容易であった.以上から,震災ガイドの記録は,動画データを主とし,画像データと360度画像データを従として,動画データを補完する形で使用する方針とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記評価の理由は,以下の2点によるものである. 1.先行研究の課題整理を行ない,本研究課題を具体化したこと. 2.システム開発に進むことはできなかったが,ガイド付きツアーに参加し,収集したデータに基づいて設計方針を定めたこと.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の3点を中心に進める予定である. 1.震災学習で動画データなどを利用するためのシステムの開発 2.新たに蓄積された関連資料を含む検索機能の開発 3.上記を利用するための学習プログラムの開発と実証的評価 なお,新型コロナウィルス禍により実証的評価が難しい場合は,既に取得しているデータを用いて研究を進捗させる.
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