研究課題/領域番号 |
19K12724
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研究機関 | フェリス女学院大学 |
研究代表者 |
春木 良且 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (80277954)
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研究分担者 |
田中 弥生 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (90462811)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 基礎自治体 / 自治体広報、広聴 / シティプロモーション / 過疎 / 政策ニュース |
研究実績の概要 |
本研究の最終年度である。ここまで、コロナ禍で現地調査が全く出来ず、自治体、文書館等で公開されている史料を元に、調査を行った。結論的に言えば、ニュース映画に関しては、全国の公開状況は明らかになったが、特に政策ニュース映画制作者のインタビューで明らかになったように、ニュース映画のみを制作していたというケースは少なく、自治体広報誌やラジオ番組などと併せて、自治体、広報、広聴部門の一環として行われてきたということが、明らかになってきた。 そこで、今期は自治体の広報、広聴機能自体のリサーチにフォーカスをあてることとした。特に山形県酒田市でニュース映画を制作していたインタビュイーによれば、自治体広報においては、テレビの登場と映画の衰退、さらにデジタル化などメディアの変化自体は、広報にとってそれほど大きなことではないという意識だったということを聞いたため、広く自治体の広報に関して、アンケートやインタビューなどの調査を行った。 映像制作に関する技術の進歩や機材の高機能化により、コンテンツ制作のハードルが低下したという側面はあるが、方向性としては政策ニュース映画のコンセプト自体は、ずっと継承されているという仮説で研究を行った。 時代の変化に対する自治体広報という観点で、本研究を捉えなおしたが、主体となるのは広域自治体ではなく、現在では基礎自治体が主力となっている。また多くのコンテンツが現在も作られ続けているが、自治体の意識では、コンテンツ自体に対して、自治体が使い捨て的な意識を持っており、端的に言えば、その価値観は映画の時代から大きくは変わっていないことが明らかになった。 こうした背景から、本研究では最終的には、広域自治体ではなく基礎自治体レベルでの、全ての映像データの整理を行うためのプラットフォーム作りを行った。今後は、リサーチの成果をそこに掲載していくことを予定している。
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