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2019 年度 実施状況報告書

言語・非言語情報のバランスのとれた多文化間コミュニケーション支援技術

研究課題

研究課題/領域番号 19K12736
研究機関東京女子大学

研究代表者

田中 章浩  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)

研究分担者 森勢 将雅  明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (60510013)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード言語 / 非言語 / 異文化 / コミュニケーション / 支援
研究実績の概要

コミュニケーションにおける言語情報と非言語情報の相対的重要性には文化差があり,このことが多文化間コミュニケーションを妨げる一因となっている.本申請課題ではこの問題を解決するために,コミュニケーションにおける言語情報と非言語情報のバランスを定量化し,制御することを目的とする.項目1では言語・非言語バランスの定量化手法として,注意バイアスを利用した手法の有効性について実験的に検討する.項目2では言語・非言語バランスの制御手法について検討する.具体的には,音声の抑揚と明瞭度の操作による制御手法,視覚的注意誘導による制御手法について検討する.項目3では会話場面および多文化場面を用いて,上記手法の有効性について検討する.
初年度である令和元年度は,項目1および項目2について検討を進めた.項目1については,言語と非言語の情報が拮抗するような表現を作成し,一方の情報に注意を向けるように教示したときに,他方の情報からどの程度影響を受けるかを測定する注意バイアス実験を実施した.また,この実験手法を複数の非言語情報間のバランスの定量化にも適用できるかどうかも検討した.項目2については,視覚的に与えられる言語情報および非言語情報の重みづけを高める手法として,顔の注視部位を制御する手法の有効性を検討した.
これらの成果は,言語・非言語バランスという新たな視点からコミュニケーションを包括的かつ定量的に説明する枠組みを提唱する点に理論的な独自性がある.また,定量化手法を実際にコミュニケーション場面に適用し,バランスを制御し,多文化間コミュニケーションにおける有効性を評価する点に社会的な意義がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画以上に進展している.3項目のうち,項目1の検討が完了し,項目2も終了のめどが立っている.項目3の準備状況も良好である.

今後の研究の推進方策

ここまで当初の計画以上に進展しているため,今年度は3年目に予定していた項目も先行して実施する予定である.

次年度使用額が生じた理由

初年度は国際学会での発表よりも実証データを取得することを優先させたため,旅費を当初予定よりも少額で抑えることができた。2年目に海外でのデータ取得を予定より先行して実施する予定のため,この旅費に充当する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ライデン大学/マーストリヒト大学/アムステルダム大学(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      ライデン大学/マーストリヒト大学/アムステルダム大学
  • [雑誌論文] Japanese children’s audiovisual emotion perception and its relation to their sensitivity to pitch-accentual pattern.2019

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H. W., Kawahara, M. & Tanaka, A.
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 40 ページ: 410-412

    • DOI

      10.1250/ast.40.410

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Language or appearance? The trigger of the in-group effect in multisensory emotion perception.2019

    • 著者名/発表者名
      Kawahara, M., Yamamoto, H.W., Tanaka, A.
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 40 ページ: 360-363

    • DOI

      https://doi.org/10.1250/ast.40.360

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Development of Eye Gaze Patterns during Audiovisual Perception of Affective and Phonetic Information2019

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H.W., Kawahara, M., Tanaka, A.
    • 雑誌名

      The 15th International Conference on Auditory-Visual Speech Processing. Melbourne, Australia.

      巻: 2019年8月 ページ: 27-32

    • DOI

      10.21437/AVSP.2019-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 視覚情報の劣化が情動知覚および音韻知覚に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      吉原将大・山本寿子・河原美彩子・田中章浩
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 119 ページ: 7-12

  • [雑誌論文] 顔と声による感情表出様式の文化差の検討2019

    • 著者名/発表者名
      河原美彩子・田中章浩
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 119 ページ: 1-6

  • [学会発表] 多感覚的な感情認知における話者の顔に対する注視パターンの文化差2019

    • 著者名/発表者名
      河原美彩子・山本寿子・田中章浩
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会
  • [学会発表] The development of eye gaze patterns during audiovisual perception of affective and phonetic information.2019

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H.W., Kawahara, M., Tanaka, A.
    • 学会等名
      The 15th International Conference on Auditory-Visual Speech Processing
    • 国際学会
  • [備考] 田中章浩研究室HP

    • URL

      http://tanakalab.sakura.ne.jp/

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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