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2021 年度 実施状況報告書

怖いのになぜ見たいのか?回避性感情が引き起こす接近性反応の機能的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K12742
研究機関西南学院大学

研究代表者

分部 利紘  西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (50747772)

研究分担者 綿村 英一郎  大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (50732989)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード情動 / 恐怖 / 回避と接近
研究実績の概要

2021年度は、調査法をもとにした研究を中心に行った。具体的には、まず過年度の研究方法の問題点を改善したうえで、Horror系の回避性感情とFear系の回避性感情のそれぞれについて、接近性感情との関係性を検討した。その結果、Horror系の回避性感情は接近性感情と高く相関するが、Fear系の回避性感情ではそのような傾向は観察されないことや、回避性感情は互いに相関するが、接近性感情では相関が観察されないことなどから、Fear系では必ずしも回避性感情が接近性感情を引き起こすわけではないことが示唆された。また、2021年度は有害事象が発生した原因への認知欲求と結果への認知欲求という構成概念を新たに導入し、先のHorror系およびFear系とこれらの認知欲求との関わりについて検討した。その結果、原因への認知欲求はどちらとも関連しなかったが、結果への認知欲求は両方の接近性感情と相関するなど、接近性感情と結果への認知欲求との関わりが示された。さらに2021年度は、有害事象の生起確率と接近性感情との関りについても検討を行った。その結果、有害事象の生起確率は2種の接近性感情と関連するだけではなく、同時に、結果への認知欲求との強い相関が観察されるなど、接近性感情の発生要因として当該事象の起きやすさに対する認知が関係していることが示唆された。なお2021年度は、回避性感情に伴う接近性反応がしばしば後悔を生み出すことから、後悔の規定要因について検討し、論文としてまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

質問紙法を用いた研究については一定の進展があったが、身体反応を計測する実験については機器の導入遅れやCOVID-19の影響により充分に進められなかった。

今後の研究の推進方策

身体反応を計測する実験を行うための環境が整ったため、2022年度は身体反応を切り口に回避性感情と接近性感情の同時生起について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に行う予定の身体反応計測実験のための費用として必要になるため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Intensity of Regret, Outcome Desirability, and Attainability of Desirable Outcome2022

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Wakebe & Eiichiro Watamura
    • 雑誌名

      西南学院大学人間科学論集

      巻: 17 ページ: 153-180

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公開日: 2022-12-28  

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