研究課題/領域番号 |
19K12747
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 美麗 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10236820)
|
研究分担者 |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70202851)
阿部 陽子 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (90431593)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 振動シグナル / 歯周組織 / 卵巣摘出 / 骨代謝マーカー / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 歯根膜細胞 |
研究実績の概要 |
歯科矯正治療には長期間を要する事が多く、治療の長期化に伴って齲蝕(むし歯)や歯周病などの問題が発生し、患者の精神的負担も大きいのが 現状である。また、治療期間の長期化は、矯正治療の重篤な副作用のひとつである歯根吸収の発現と関連性が高いことが報告されている。その ため治療期間を短縮する方法が求められている。 本研究では、骨改造現象を賦活化し、歯科矯正学的歯の移動速度を促進させる振動シグナルに対する応答メカニズムを解明し、確実に効果があ る歯周組織改造の振動刺激のパラメータ条件を決定することを目的とする。また、応答メカニズムを細胞、組織レベルで解明し、確実に 効果がある歯周組織改造の 振動刺激のパラメータ条件を決定することを目的とする. (1)in vivo 実験として、卵巣摘出した12週齢の雌性ラットを用いたエストロゲン欠乏性骨粗鬆症モデルラットを実験に用い、上顎骨、下顎骨、脛骨におけるマイクロCTによる骨密度解析、組織標本観察を行った。 (2)骨代謝活性を反映する血清骨代謝マーカーなどの測定法を確立した。 (3)また、in vivtro 実験として、骨芽細胞MC3T3ーE1細胞(10%FBS含有αMEM培地)と軟骨細胞ATDC5細胞(5%FBSおよびinsulin, transferin含有DMEM/Hams F12培地)、歯根膜細胞MAX-2B(10%FBS含有αMEM培地)の増殖・分化を評価する細胞培養系を確立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って実験方法を確立し、解析が進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、研究を推進する。具体的には、(1)マイクロCTおよび小動物用超音波高解像度システム(Vevo770)を用いて非侵襲に麻酔下でマイクロバブルをラット尾静脈から静脈注射し、ラットの 歯髄、歯根膜、歯肉、歯槽骨血管中の三次元イメージングによるμCT,血流解析を行う。(2)顎骨部周辺の組織を採取して組織切片を作成し、歯周組織を組織学的に評価する。(3)卵巣摘出した12週齢の雌性ラットを用いたエストロゲン欠乏性骨粗鬆症モデルラットを実験に用い、歯科矯正学的歯の移動実験を行う。(4)in vitroにおける振動刺激により骨芽細胞に発現誘導される分子の解析をさらに推進する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
3月中旬から下旬にかけて、参加予定だった米国ワシントンDCで開催される予定の98th IADR/AADR/CADR General Sessionなどが、新型コロナウイルス感染拡大により中止となり、参加費や旅費が支出されなかったため。 組織標本の作成に時間がかかり、これから予算が必要になってくる。 実験計画に沿って、研究をさらに推進し、適切に使用する予定である。
|