すでに確立しているガスクラスターイオン銃と飛行時間型二次イオン質量分析を組み合わせた一細胞内の3次元質量分析イメージング(Masaki et al 2015)のための試料前処理法を開発する。先行研究により細胞内脂質分布が従来の新鮮凍結法では保持できないという問題を明らかにしたが、分子量に影響があるため化学固定をそのままもちいることはできない。そこで、分子量に変化がないことが確認されている最小濃度でのグルタルデヒド固定の構造保持能を検討した。この固定法をもちいることで脂肪細胞の脂肪滴におけるパルミチン酸とパルミトレイン酸を側鎖にもつトリアシルグリセロールの3D-TOF-SIMS解析に成功した。
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