ヒトiPS細胞から誘導する腎オルガノイドは内部に血管様構造を有するものの、糸球体・傍尿細管血管への発達は乏しい。そこで、本研究課題は、腎オルガノイドでの自己血管化要因の探索を目的とし、オルガノイド内血管内皮細胞に対するオルガノイド内の共存細胞が与える影響およびメカニカルストレスに着目して検討した。その結果、腎オルガノイド内には腎特異的血管内皮細胞が発生し、その増殖・維持がオルガノイド内の間葉系細胞分泌因子で促進され、かん流刺激付与が構造発達と外部血管内皮細胞との連結を促進した。したがって、自己血管化因子として、共培養する細胞側要因およびメカニカルストレス双方が重要であることが明らかになった。
|