組織の恒常性維持を担う細胞の増殖や分化の制御機構を知ることは重要である。本研究は骨格筋形成における細胞内イオン動態の働きを明らかにすることを目指した。形態的な指標では曖昧な筋芽細胞の融合現象を蛍光シグナルの変化により視覚化する光遺伝学ツールを構築し、経時変化を感度良く検出することができた。筋分化誘導時にカルシウムシグナルを惹起させると、筋芽細胞の融合が促されて筋管細胞の形成が誘導されることが示唆された。筋形成の光誘導技術は骨格筋組織の再生や発達のメカニズムを検証するツールとしてだけでなく、新しい骨格筋治療の基盤技術としても期待できる。
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