電気的筋刺激法は、運動困難な高齢者にとっては有望な非薬物的な骨粗鬆症予防法となり得る。一方で、骨形成が促される対象が、刺激された筋肉が結合している骨に限定されるという課題が存在する。本研究では、ランダム電気的刺激を用いることで、単一箇所の刺激でも遠隔的に骨の力学的特性の維持・向上が可能であること、また、それが骨コラーゲンの架橋の促進により生じることを動物実験と細胞培養実験により明らかにした。この知見は、電気的筋刺激では全身に多数の電極を配置する必要がないことを示しており、同法の臨床応用の実現性を高めることに貢献する。
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