疾患や発生の過程における細胞外基質の動的変化に対する細胞応答は、細胞組織の恒常性という観点から見て重要である。本研究では筋管形成に着目し、トポグラフィを変えられるしわ基板を用いて筋管形成能の獲得・喪失を定量解析し、筋管形成の動的制御技術を開拓した。 研究成果として、しわ基板上で①野生株の筋管形成能が促進されることを細胞集団の形状と方向秩序変数を用いて定量的に明らかにし、②分化できないPIEZO1欠損細胞を筋管形成へと導くことに成功した。また、様々な時点でしわ方向を90度変化させた結果、筋管形成初期では新しいしわの方向に筋管形成できるが、後期ではトポグラフィ変化の影響を受けないことを突き止めた。
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