細胞周期制御因子Cyclin D3はCdk4と複合体を形成しキナーゼ活性を発揮させることが知られている。申請者は赤芽球脱核時にプロテアソームによってCyclin D3が分解されることやCyclin D3の分解を人為的に遅らせることにより脱核の進行が遅れること、またその脱核の遅れがCdk4阻害剤の添加によりキャンセルされることを見出した。これらの結果から、プロテアソームによるCyclin D3-Cdk4複合体のキナーゼ活性の低下が赤芽球に脱核を誘導するトリガーであり、それを制御することによって赤芽球の脱核効率を改善できると考えられた。
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